もしもピアノが弾けるなら ☆5点
予告編
映画データ
2010年からジャンプSQ.19で連載されていた古屋兎丸氏による全14巻からなる同名コミックの映画化で、2014年には舞台化もされている学園政権闘争コメディです。
例によって例のごとく、漫画の存在すら知らなく、予告編も2,3回チラッと見た程度ですが、すこぶる評判よさそうなので観て参りました。
公開週の週末動員が、相当プロモーションに力を入れてた『無限の住人』を超えてきてますからね。
あらすじ
全国屈指の頭脳を持つ800人のエリート学生達が通う、日本一の超名門・海帝高校。政財界に強力なコネを持ち、海帝でトップ=生徒会長をつとめたものには、将来の内閣入りが確約されているという。時は4月、新学期。大きな野心を持つ男が首席入学を果たす。新1年生・赤場帝一。彼の夢は「総理大臣になって、自分の国を作る」こと。その夢を実現するためには、海帝高校の生徒会長になることが絶対条件。「ライバルを全員蹴落として、必ずここでトップに立つ…そのためならなんでもする…どんな汚いことでも…。2年後の生徒会長選挙で優位に立つには、1年生の時にどう動くかが鍵となる。戦いはもう始まっているのだ!」。誰よりも早く動き始め、野望への第一歩を踏み出した帝一。待ち受けていたものは、想像を絶する罠と試練!友情と裏切り!
究極の格付けバトルロワイアル! いま、命がけの 「生徒会選挙」が幕を開ける!!(東宝公式サイトhttps://www.toho.co.jp/movie/lineup/teiichi-movie.htmlより引用)
ネタバレ感想
漫画原作を読んでないので、どこまでやってるのかは分からないのですが、主人公・赤場帝一(菅田将暉)の生徒会長選までやってるので、おそらく全部やってるんだろうと思います。
といいますのも、1年次の描写がかなり長く、上級生の会長選での参謀としての立ち回りに大半の時間が割かれていたので、続編が出来る感じで終わるのかな?と思いましたが、ラスト20分くらいで帝一の会長選を描きつつ、それまでの伏線を回収する感じで見事な脚本でした。
おそらく原作でのエピソードを印象的なものに絞って、1年次を7~8割、2年次を2~3割、とメリハリをつけてテンポよく描いたのがよかったんだと思います。
監督は昨年『世界から猫が消えたなら』が公開された永井聡監督
紗がかかった感じの映像も昨年と同じでしたが、この作品の世界観に合ってました。
主人公の帝一は幼い頃は野心とは無縁の男で、ピアニストだった母の血をひいてピアノが大変優秀で好きだったのですが、父親(吉田鋼太郎)の叶わなかった夢、総理大臣への道を歩まされることになりピアノを辞めるのですが、この父役の吉田鋼太郎さんと帝一役の菅田将暉さんのコンビは、この漫画原作のコメディを舞台調に演じることで、作品の世界観をうまくスクリーンに落とし込んでいたと思います。
実際、この2人のやり取りはかなり面白くて、さすがシェイクスピア俳優の吉田鋼太郎さんといったところで、それを受けて立つ菅田将暉さんも上手くて、外部入試の採点結果を読み上げるシーンでは、序盤から観客をかなり温めてたんじゃないかと思います。
もう、こうなると、何をしても面白いのですが「マイムマイムの変」では、あまりの下らなさとバカさ加減に笑ってしまいまして、近年のコメディ漫画の映画では『HK/変態仮面 アブノーマル・クライシス』くらい面白かったです。
おまけに文化祭のシーンでは、女性観客向けにイケメン達(菅田将暉、野村周平、間宮祥太朗、志尊淳、鈴木勝大)のふんどし姿のシーンがありますし
帝一と孔明(志尊淳)の軽いBLもあったりと至れり尽くせりで、満足度高しではないかと思います。
肩肘張らずに気楽に笑って観れますし、それでいてトランプ大統領への強烈なアンチテーゼみたいのもありますし、最後にジーンとくるシーンもあって、それがまた計算尽くで帝一の狂気も垣間見れるという捻りもあって、大変面白い作品に仕上がってると思います。
追伸:本作はフジテレビ製作だったんですが
今年は『サバイバルファミリー』といい
と本作といい、当たりでした。
鑑賞データ
新宿ピカデリー SMTメンバーズ次回割引クーポン 1200円
2017年 69作品目 累計70600円 1作品単価1023円
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