烏帽子岩と裸弁天と浜降祭と ☆3点
茅ヶ崎がなぜ多くの音楽人・芸能人を輩出してきたかに迫るドキュメンタリー。
案内人はサザンオールスターズの名付け親で桑田佳祐の幼馴染でもあるワーナーミュージック・ジャパンの洋楽編成で音楽評論家の宮治淳一
監督は熊坂出、ドラマ部分の出演で神木隆之介や野村周平
予告編
映画データ
TOHOシネマズのシネマイレージデイだったので『オン・ザ・ミルキー・ロード』か『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』を観ようと思ったんですけど、TOHOシネマズ六本木ヒルズの上映スケジュールを見てたら本作が2週間限定公開されてるのを知り、しかも何故かスクリーン9番というわりと広いスクリーンでの上映でプレミアボックスシートもそこそこ売れているという謎でしたので興味を惹かれて観に行ってみました。
特に熱烈にサザンオールスターズのファンであるとか桑田佳祐さんのファンであるという訳ではなく、普通に知ってるくらいです。
監督は熊坂出さん
初めましての監督さんです。
『パーク アンド ラブホテル』という作品で、第58回(2008年)ベルリン国際映画祭で日本人で初めて最優秀新人作品賞を受賞されたみたいです。
出演はドキュメント部分とドラマ部分で以下の通りです。
ドキュメント部分
宮治淳一(ワーナーミュージック・ジャパン洋楽編成)
中沢新一(人類学者)
加山雄三(インタビュー部分で出演)
萩原健太(音楽評論家)
小倉久寛(ナレーション)
桑田佳祐(烏帽子岩での演奏で出演)
ドラマ部分
神木隆之介(高校時代の宮治淳一役)
野村周平(高校時代の桑田佳祐役)
賀来賢人(謎の高校生、鎌倉権五郎景政役)
村川絵梨(高校時代の桑田佳祐の姉・えり子役)
高橋優(フォークソングを歌う高校生役)
須藤理彩(弁財天役)
安田顕(高校時代の宮治淳一の担任役)
あらすじ
この作品作りのきっかけとなったのは、自らも茅ヶ崎出身で洋楽ポップスの一流プロモーターにして日本一のレコードコレクターである宮治淳一。小中学校時代、桑田佳祐と同級生だったという宮治は“サザンオールスターズ”の名付け親としても知られる。数々の音楽人を輩出し、多くの文化人とも所縁の深い土地である茅ヶ崎の芸能史を自らの手で執筆・編纂するという作業を、数年前から密かに始めていた宮治だが、昨年友人桑田佳祐が還暦を迎えるにあたって、茅ヶ崎と芸能との関係性、その謎を探る映像作品を制作し、桑田にプレゼントしようと思い立った。
映画監督の熊坂、そしてより多角的に茅ヶ崎を捉えていく上で、日本を代表する人類学者中沢新一、この二人に協力を依頼し映像作りが始まった。中沢は自身のライフワークでもある“アースダイブ”という手法で、数万年規模というマクロの視点から茅ヶ崎の秘密を探っていく。できあがった映像を見た桑田はそのサプライズプレゼントに大いに感銘を受けたという。その桑田の反応に呼応するように、宮治、中沢ともに、さらなる茅ヶ崎探訪の欲求が高まっていた。それぞれのアプローチで始めた作業が徐々に進んでいく中でやがて、両人ともやはり、茅ヶ崎を代表する音楽人のひとりである“桑田佳祐”の存在を掘り下げていかざるを得ないことを感じ始めていたのだ。茅ヶ崎をたどることで、桑田佳祐へと行き着き、さらにその先に日本人の心までも垣間見るという、予想もしなかった方向へと導かれていくことを予感した二人は、さらにこの作品を発展させ『茅ヶ崎物語 ~MY LITTLE HOMETOWN~』というひとつの映画作品として成立させ、一般公開を目指していくことになった。
こうして、その後作品作りはさらに本格化していき、なんと、かの加山雄三へのインタビューも敢行。さらには、高校生時代の宮治の記憶をもとに、ドラマチックな結末へとつなげるべく、桑田佳祐の出演による衝撃的な結末シーンも撮影されることとなった。こうして『茅ヶ崎物語 ~MY LITTLE HOMETOWN~』は、音楽探訪記でありつつ、同時に音楽伝記であり、音楽文化史でもあるという、他に類を見ない異彩を放つ作品として完成したのである。
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
あらすじとネタバレはこちらが詳しいんで参考になりました。
http://agentpadma.com/2017/06/25/映画『茅ヶ崎物語-~my-little-hometown~』あらすじ・ネタバレ/(リンク切れ確認)
前提として、還暦過ぎた茅ヶ崎出身者の宮治さんには、なんでこんな田舎から偉大な音楽家や芸能関係の人を輩出してるんだろう?という思いがあったみたいです(名前が出てくる著名人は中村八大、永六輔、平尾昌晃、尾崎紀世彦、桑田佳祐、ブレッド&バター、Suchmos、九代目市川團十郎、添田唖蝉坊、小津安二郎etc)
中学くらいまではすごい田舎で、加山雄三さんが出てきてパシフィックパーク茅ヶ崎が出来てから、段々と注目を浴びるようになったみたいなんで、やっぱり地元出身者には小・中学生の頃のイメージが強いのかもしれません。
でも同年代の音楽評論家でアマチュア時代のサザンオールスターズに在籍してたこともある、現在豊島区巣鴨在住の萩原健太さんに話を聞きにいくと、湘南、茅ヶ崎、オシャレじゃん、カッコイイじゃん、となるので外からのイメージと内からのイメージは違うということでしょう。
で、外国の人に茅ヶ崎を知ってるか?と聞くんですが、誰も知らない。
これは当然といえば当然。
一人、川崎を知ってる人がいましたが、これはバイクの方でした。
中沢新一さんの部分はブラタモリみたいな感じで話が進みます。
茅ヶ崎という土地の成り立ちから、そこに出来た神社や神様との関係、弁財天とか浜降祭からお祭りと音楽の関係性が語られ、桑田さんのライブ映像を見せられます。
マツタケとアワビの神輿は川崎のかなまら祭りみたいですよね。
それらのことから中沢新一さんの見解は「桑田佳祐は阿曇磯良(あづみのいそら)である」というものでした。
でも可笑しいのは、茅ヶ崎の人には浜降祭はやっぱり特別なものがありますよね、とか話してて宮治さんも4,50回は行ってると盛り上がってたんですが、別の桑田さんの幼馴染に聞いたら「桑田、あいつ浜降祭来たことねぇよ」と言ってて面白かったですね。
ドラマ部分では、高校時代の桑田さんは男子校だったので宮治さんの文化祭のオファーに即決。
文化祭当日、男女共学の鎌倉高校に桑田さんが来ると女子のスカートから見える生足に興奮が抑えられなく暴れん棒将軍してるシーンとか描かれてます。
まさにソーセージパーティー
われはエロティカ・セブンなり
ラストの烏帽子岩での演奏シーンはカッコよかったですね。
なんかU2のビューティフル・デイで飛行場で歌ってるやつみたいでした。
まぁ結局のところ、なぜ茅ヶ崎がこんなにも音楽人を輩出したのかは分からないのですが、最初に宮治さんのワーナーミュージック・ジャパンという経歴が出てきたときに、個人的には面白いなと思いました。
というのも知り合いに大手レコード会社を退職された方がいまして、やっぱりそういう歌謡史というか芸能史を還暦過ぎてから編纂されていたので、やってることが似ているなぁと思いました。
客席は半分以上埋まってて、どういう人が観に来てるのかな?と思いましたが、年齢層としては桑田さんと同じ世代が多かった気がします。
やっぱりサザンや桑田さんに関心のある方が観に来てたのでしょう。あと茅ヶ崎に興味ある方。
映画としての出来は、中沢さんとの街歩きの部分でカメラがブレて見づらかったり、宮治さんを砂浜走らせたり、カメラからの質問が幼稚だったりして、そこ無くてもいいじゃんっていうシーンもあったのでドキュメンタリーとしては普通だと思いました。
鑑賞データ
TOHOシネマズ六本木ヒルズ シネマイレージデイ 1400円
2017年 152作品目 累計162700円 1作品単価1070円
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