ボクの妻と結婚してください。 評価と感想/テレビマンの考えそうな企画

ボクの妻と結婚してください。 評価と感想
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一見すると感動作だが、テレビマンのエゴにしか見えない ☆2.5点

予告編

映画データ

ボクの妻と結婚してください。 (2016):作品情報|シネマトゥデイ
映画『ボクの妻と結婚してください。』のあらすじ・キャストなど作品情報:テレビ業界の第一線をひた走る放送作家が余命宣告を受け、家族に残す「人生最期の企画」のため奮闘するさまを描いた樋口卓治の人気小説を映画化。
http://cinema.pia.co.jp/title/169159/

あらすじ

バラエティ番組の放送作家をしている三村修治(織田裕二)は12本ものレギュラーを抱え、忙しい日々を送っていた。
ある日、体に異変を感じた彼は検査を受け、末期のすい臓がんで、余命6ヶ月と宣告される。
だが、1日でも長く延命し家族と静かに過ごすという最期の過ごし方ではおもしろくない。
放送作家として、今までずっと世の中の色々なことを好奇心で“楽しい”に変えて来た修治はそんな思いから、家族に遺す“最期の企画”を練り始める。
専業主婦の妻・彩子(吉田羊)は、小学生の息子・陽一郎を抱え苦労するだろう。
また、気丈そうに見えてもろいところがあるので、何とかして笑顔にしてあげたい。
そんなことを思っていたとき、結婚相談所の看板を見かける。
修治は、自分がいなくなっても妻が前を向いて進めるように、妻の結婚相手を探すことにする。
婚活市場を勉強し始めた修治は、自身も同僚の手を借りてお見合いパーティーに潜入する。
さらに、元仕事仲間の知多かおり(高島礼子)が現在結婚相談所の社長であると知ると、なんとか協力を取り付け、妻にとって最高の結婚相手を探し出してもらう。
そして現れたのは、真面目で誠実なインテリア会社社長、伊東正蔵(原田泰造)だった。
修治の、まさに命がけのプロジェクトが始まる……。

MovieWalkerより引用)

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に続き、今年の余命モノは3本目の鑑賞になります。

原作、ドラマ版ともに未見です。

お話としては先日観た、「湯を沸かす」の方に近い感じですが、出てくる登場人物は圧倒的に「湯を沸かす」の方が不幸でした。

膵臓がんで余命宣告された放送作家が、妻の結婚相手を探す話ですが、その動機が、普段からテレビマンとして、「悲しみも楽しみに変える」をモットーとしていて、「妻には笑っていてほしい」、からなんですが、それがどうして、妻の夫を探すことに繋がるのかよくわかりませんでした。

余命宣告された主人公は、残された時間をどうしようかと考えていた時に、街頭モニターやテレビで流れる結婚相談所のCMを見て、妻に夫を探す計画(企画)を立てるのですが、ずいぶん安易だなと思いました。

この主人公は周囲には病気のことを隠して(唯一、結婚相談所の所長(高島礼子)でかつての同僚には話している)いるので、この企画を進める上で色々と無理が出てくるのですが、自分だったらこんな企画は立てずに、テレビでよくやる余命モノのドキュメンタリーを自らでやるかな?と思いました。

主人公は企画を立てた段階で、この企画の懸念材料として「妻が怒るかも?」というのを上げてるんですが、それが分かったとき当然のごとく妻は怒ります。

人が人を好きになる思いなんて、どうにも出来ないはずなんですが、それをお見合いさせて結婚させようなんて、どうして出来るのか理解できないので、そもそものお話として、もう自分にはノレませんでした。

もう、そういうところに「おもしろくなければテレビじゃない」的なエゴが垣間見れて、先日観た『グッドモーニングショー』同様、感覚がズレてるなと感じます。

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妻を他の男に目を向けさせるために、自分が不倫をしているように見えるドッキリをしかけるところなんかは、いかにもテレビマン的だなと思いましたし、「悲しみを笑いに変える」と言ってたわりに、妻を深く傷つけてて本末転倒してると思いました。

また、ドッキリの際に協力してもらった女子アナ的な人との写真も週刊誌にスクープされてしまう始末で、周りに迷惑ばっかりかけてるんですよね。

お相手となるインテリアデザイン会社の社長にだって、結局は自分の死を盾にしてお見合いをお願いする始末で、あんなこと、もうすぐ死ぬ人にお願いされたら断れません。
もう、そんな自分中心の考え方ばかりなので観てて嫌になります。

今、過労死問題で揺れている電通の鬼十則に
「周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、永い間に天地のひらきができる。」
というのがありますが、まさにそれで、そういう考え方しか出来ないのかな?と思ってしまいます。

この原作、ドラマ版ではウッチャンナンチャンの内村光良さんが演じていたようですが、この主人公はコメディアン出身の人が演じた方がよい気がしました。
バラエティなんかもこなせる俳優さんの方がよくて、織田裕二さんには合ってなかった気がします。

この映画で救いだったのは吉田羊さんが可愛かったことで、今年、吉田羊さんが出演された『SCOOP!』も『グッドモーニングショー』も観ましたが、本作が一番よかったです。

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カンテレ製作の映画ですが、わざわざ映画でやらなくても、連続ドラマで十分な気がします。

鑑賞データ

TOHOシネマズ日劇 TOHOシネマズデイ 1100円
2016年 127作品目 累計142700円 1作品単価1124円

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