これ、結構見やすくて面白かったです ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
ワイス家は典型的なハリウッドのセレブファミリー。父のワイスはセレブ向けのセラピストとして、TV番組も持つ成功者。13歳の息子ベンジーはドラッグの問題を乗り越え、超有名子役としてブレイク中。そして母親クリスティーナは、ステージママとして息子の出演作の物色にいとまがない。一見なんの不自由なく、富も名声も手に入れたワイス家。しかしこの一家には、封印された秘密があった…ワイスのセラピーを受けている落ち目の有名女優ハバナは、知人の紹介で顔に火傷の後がある少女アガサを個人秘書として雇うことにする。しかし、この少女はある問題を起こしてフロリダの施設に入れられていたワイス家の長女だった─。アガサがハリウッドに戻ってきたとき、封印されていた秘密が明らかになり、一家や周囲の人々の歯車は狂い始める──。
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
クローネンバーグ監督作は『イグジステンズ』くらいまではわりと見ていて、前作の『コズモポリス』で久々にクローネンバーグ作品を観たのですが、第一印象が、クローネンバーグらしさはありつつも随分変わったなぁという印象でした。
変わったなぁと思ったのは圧倒的な台詞の量で、具体的なことから抽象的なことまで膨大な量で、特に画面に登場してない人物名もポンポン出てくるので、完全に置いてけぼりを食らうのです(危険なメソッドからそんなような流れになったみたいですね)。
本作も台詞の量はとても多いのですがコズモポリスに比べると分かりやすかったですし、結構エンタメに寄ってたので面白かったです。
前作のコズモポリスでリムジンの後部座席に座っていたロバート・パティンソンは、本作ではリムジンを運転する側で出演していて、すっかりクローネンバーグ組って感じがしました。
リムジン内でのセックスもありますし、ロシアンルーレット、ドラッグ、とコズモポリスと共通する点も多かったと思います。
前作コズモポリスで現代米国文学を代表する作家の一人、ドン・デリーロの小説を映画化したように、本作も表向きはハリウッドセレブの内幕を描くという下世話な話ではありますが、肥大化する米国が抱える現代の闇みたいのを描いていたと思います。
お久しぶりに見たジョン・キューザックの怪演、そしてなんといっても本作でカンヌで主演女優賞を獲って、三大映画祭全ての女優賞を獲得したジュリアン・ムーアの演技は必見だと思います。
鑑賞データ
新宿武蔵野館 HPクーポン使用 1500円
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