とにかくエマ・ストーンがめちゃめちゃカワイイ ☆5点
予告編
映画データ
あらすじ
夢を叶えたい人々が集まる街、ロサンゼルス。映画スタジオのカフェで働くミアは女優を目指していたが、何度オーディションを受けても落ちてばかり。ある日、ミアは場末の店で、あるピアニストの演奏に魅せられる。彼の名はセブ(セバスチャン)、いつか自分の店を持ち、大好きなジャズを思う存分演奏したいと願っていた。やがて二人は恋におち、互いの夢を応援し合う。しかし、セブが店の資金作りのために入ったバンドが成功したことから、二人の心はすれ違いはじめる……。
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
1年間限定でやってたTOHOシネマズ新宿のモク割が最後なんで観てきました。
ドルビーアトモスの回が時間的にちょうどよかったので+200円して鑑賞しましたが、特別音がいいとは感じなかったかな?
本作は昨年から今年にかけて映画館で一番予告編を見た作品で、配給のGAGAさんが相当プロモーションに力を入れてたと思います。
まだアカデミー賞やゴールデングローブ賞のノミネートが始まる前からなので担当者さんの熱い思いが伝わります。
実際、こういう独立系の映画でIMAX上映まであるって珍しいと思うんですが、TOHOシネマズ新宿なんかだとIMAXの方から席が埋まってるので凄いです。
映画は印象的なシーンは、結構、予告でやっちゃてる気がします。
というのも、わりと長回しが多くて、場面転換が少ないんですね。カット数も少ないんじゃないかな?
台詞もそんなに多くなくて、鮮やかな色使いの画面で魅せる余白の大きい映画でした。
映画は冒頭から予告編でやってる高速道路での集団ダンスから始まったので、先日観た『王様のためのホログラム』や『ローグ・ネイション』みたいに、予告編のインパクトのあるシーンから始まるっていう、いわゆるつかみはOKてな感じでした。
この映画、予告編で想像してたのと違うのは、セブ(ライアン・ゴズリング)の夢がジャズピアニストとして有名になって成功することだと思ってたのですが、ちょっと違ってて自分のジャズの店を持つってことで、廃れてしまっているジャズを復活させたいってことでした。
ただセブがこだわってるジャズはセブの好きな黄金期の物で懐古主義的であり、ケニー・Gのようなのは認めないみたいなちょっと偏ってるとこもあります。
でもその辺は監督も意識してやってるみたいです。
自分はデイミアン・チャゼル監督の前作『セッション』が好きなので、何か変なコト(前作の車ガッシャーンで血だらけになりながら来るとか、あのラストとか)するんじゃないかって、かなり身構えてラストどうなるのだろう?と思って観てたんですが、いい意味でオーソドックスでした。
というのも、2人の夢はそれぞれ叶うんですよね。
ミア(エマ・ストーン)は女優として成功しますし、セブも自分の店を持ちます。
夢を叶えるっていう点ではハッピーエンドです。
ただ恋愛部分でいえば、必ずしもハッピーエンドではないんですが、そもそも2人の恋愛の延長線上に結婚して子供作って幸せな家庭を作るとか、少なくともミアにはそういう夢は無くて、セブは一瞬血迷ってミアを支えなくちゃと道をそれるんですがミアがそれを軌道修正して、ミアが夢を諦めかけたらセブが叱咤激励してって、お互いの夢を支え合う存在なんですよね。
どちらも1人じゃ夢を叶えられなかったけど、2人だったから叶えられたっていう。
前作のセッションのときに、面白いなと思ったのが、主人公の男の子が彼女に、僕はこれからドラムを極めるために忙しくて付き合ってる時間が無いから別れよう、と言いのけるんですよね。
いや、このときに、やりたいことへの動線が明確で凄いなと思って、ある意味、二兎を追う者は一兎をも得ず、を地で行く話だなと思ったのですが、本作でもお互いの夢を叶えるにあたってベストな選択をしてるんですよね。
お互いの夢を叶えるために、お互いの恋愛は二の次にするっていう。
よく恋愛ドラマで、仕事と私どっちが大事なの、って展開ありますが、あれ愚問だなって思ってて、本作でもミアの一人芝居にセブは間に合わなかったですが、ミアはセブが観に来なかったことには怒ってなくて、演技への自信を無くしただけ。
セッションのときは、「やりたいことがあるなら人の意見なんかに左右されないで我が道を進め」でしたが、本作の主人公たちはそこまで強くないので2人で支え合ってますが、夢を叶えるためには、ある物は捨てていて、夢を叶えるってそういうことなんだろうなと思いました。
映画ではミアのオーディションのシーンが何回か出てきますが、決して下手ではないです。
何回も落ちまくってますが、審査員がちゃんと見てなかったり、別の用が入ったりしてるだけで、気にすることなんて全然無いんですよね。自分の演技を否定する材料にはならない。ナンパ師が断られてもめげないのと一緒で、数打ちゃ当たる。
また、自分で脚本を書いて一人芝居して、悪口も言われますが気にすることなんてない。映画用に出来過ぎてはいますが、結果的にその舞台を見に来た人からオーディションのチャンスを貰って女優の道を掴むという展開です。
セブの方はどうやってお店を開いたかは描かれてませんでしたが、セブの夢はお金が解決してくれるのが目に見えてます。
なのでお金を稼げばいい。不本意なバンド活動ですが、期限を決めてお金を稼げばこれほど夢への近道はないっていう。それはミアが教えてくれます。そしてミイラ取りがミイラにならないようにするのも大事。
ラストの展開は、もし出会いが違ってたら、あの時こうしてれば、というタラレバ回顧ですが、そうしていれば2人が夢を掴めたっていう保証はないですし、2人が一緒になれるって保証もありません。
だから、あの2人の恋愛があの結果でよかったっていうのが、2人のアイコンタクトで分かります。
付き合った人を思い出しはすれども後悔はしない、そういう映画でした。
本作の内容に関しては、たくさん評論やレビューが出ると思うので、上映中に思ったことを書きます。
タモリさんはミュージカル嫌いで有名ですが、それはなんか観てて小っ恥ずかしいというのがあるのですが、自分も本作を観ててそれは感じて、何となく腰が浮くような浮遊感があったのですが、プラネタリウムでのダンスで浮遊するシーンがあったので、これは狙ってやってるのかな?と思ったり、タモリさんの好きなジャズも題材にしてるので、どう観るんだろ?感想聞きたいなとか思いながら観てました。
あと、今回、『ラ・ラ・ランド』は大ヒットしてる訳ですが、私としては2012年に公開されて全然ヒットしなかった『ロック・オブ・エイジズ』もかなり面白かったので、ミュージカル映画繋がりでこの機会に是非見て欲しいと思うのでありました。
鑑賞データ
TOHOシネマズ新宿 モク割 1100円+ドルビーアトモス料200円
2017年 32作品目 累計29300円 1作品単価916円
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