誰にでも凶悪になる要素はある ☆5点
予告編
映画データ
あらすじ
雑誌ジャーナリスト・藤井に託された、死刑囚からの手紙。
そこには驚愕の内容が記されていた――自分は死刑判決を受けた事件の他に、誰にも話していない3つの殺人に関わっています。
そのすべての首謀者は、自分が“先生”と呼んでいた男です。
そいつが娑婆でのうのうと生きているのが許せない。
この話を記事にしてもらい、先生を追い詰めたい。3つの殺人事件、先生と呼ばれた男、死の錬金術師。
そして明かされる、驚愕の真相――。
すべては、ある死刑囚の告白から始まった。スクープ雑誌「明潮24」の記者として働く藤井修一(山田孝之)は、東京拘置所に収監中の死刑囚 須藤純次(ピエール瀧)から届いた手紙を渡され、面会に行き話を聞いてくるよう上司から命じられる。
面会室で向かい合った須藤は、「私には、まだ誰にも話していない余罪が3件あります」と話しはじめる。
その余罪とは、警察も知らず闇に埋もれた3つの殺人事件だった。
そして、これらすべての事件の首謀者は、“先生”と呼ばれる木村孝雄(リリー・フランキー)という不動産ブローカーであり、記事にしてもらうことで、今ものうのうと娑婆でのさばっている“先生”を追いつめたいのだと告白される。半信半疑のまま調査を始める藤井だったが、須藤の話と合致する人物や土地が次々と見つかり、次第に彼の告発に信憑性がある事に気付き始める。
死刑囚の告発は真実か虚構か?
先生とは何者なのか?
藤井はまるで取り憑かれたように取材に没頭していくのだが…(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
いやー、面白かったです。
『冷たい熱帯魚』同様、実話がベースになっている映画ですが、そこにフィクションとして映画ならではのメッセージも感じることができました。
「私、もうずっとお母さんに暴力ふるっているの」
藤井記者(山田孝之)に妻(池脇千鶴)が言うセリフや
「私を一番殺したいと思っているのは被害者でも須藤(ピエール瀧)でもない…」
先生(リリー・フランキー)が藤井に言うセリフは、
それぞれ事情は違いますが、この犯人達のように「誰にでも凶悪になる」ということを突き付けてきます。
しかしこの映画、一番残酷な焼却炉のシーンで笑いが起きますね(自分もそのクチです)
妻が藤井の書いた記事を読んで言いますよね。
「うわー、こんなに酷い事をする人がいるんだ」「こんな残酷な殺し方するんだ」って。
所詮他人事なんですよね。自分の身に降りかからない安全なところで、好奇心で笑いながら観ている。
この映画を観ている観客が一番「凶悪」なのかもしれません。
鑑賞データ
新宿ピカデリー ファーストデイ 1100円
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