最近の公開されればヒットが約束されているジブリ作品より良い ☆4.5点
予告編
映画データ
あらすじ
幼い頃、何気なく発した言葉によって、家族がバラバラになってしまった少女・成瀬順
そして突然現れた“玉子の妖精”に、二度と人を傷つけないようお喋りを封印され、言葉を発するとお腹が痛くなるという呪いをかけられる。それ以来トラウマを抱え、心も閉ざし、唯一のコミュニケーション手段は、携帯メールのみとなってしまった。
高校2年生になった順はある日、担任から「地域ふれあい交流会」の実行委員に任命される。
一緒に任命されたのは、全く接点のない3人のクラスメイト。
本音を言わない、やる気のない少年・坂上拓実
甲子園を期待されながらヒジの故障で挫折した元エース・田崎大樹
恋に悩むチアリーダー部の優等生・仁藤菜月
彼らもそれぞれ心に傷を持っていた。
担任の思惑によって、交流会の出し物はミュージカルに決定するが、クラスの誰も乗り気ではない様子。
しかし拓実だけは、「もしかして歌いたかったりする?」と順の気持ちに気づいていたが、順は言い出せずにいた。
そして、だんまり女にミュージカルなんて出来るはずがないと、揉める仲間たち。
自分のせいで揉めてしまう姿を見て順は思わず「わたしは歌うよ!」と声に出していた。
そして、発表会当日、心に閉じ込めた“伝えたかった本当の気持ち”を歌うと決めたはずの順だったが…。(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
『あの花』と同じ舞台設定の埼玉県秩父市の原風景は、東京・大阪などの大都会で育った人以外はどこか懐かしく感じられるものと思われます。
テーマも身近ですよね。
幼少期から高校生くらいまで誰にでもある悩みや心の葛藤。
現実世界は高校卒業すれば社会に出る者、進学する者、それらの理由で地元を離れる者など、またそこから先がある訳ですが、高校生くらいまでの悩みは誰にでも共通する最大公約数的な感じで共感ポイントが多いと思います。
ヤフーレビューを見てたら、あの花を期待して観に行ってる方が多いようですが、あの花とは別物ですからね。
あの花はテレビシリーズで30分全11話かけて紡いだお話ですし、同じテーマで新しい物を作ったって仕方ないですから。
ただやっぱり共通する部分はあって、あの花でも感じた「(特に恋愛部分では)自分の気持ちには素直になろう」と「想いは言葉にしないと伝わらない」は本作でも共通してると思いました。
それが叶う叶わないは別として(というか、あの花もそう、叶わないから切ないんですよね)。
「言葉は時に人を傷つける」
これはあの花でも主人公たちの心に引っかかっていたことですが、本作はそれを知って怖くなって喋れなくなってしまった子が主人公の物語。
でも、大人になったら空気読んで発言しろよって話ですが、子供にそれを求めるのは酷な話で、この映画では順の両親が圧倒的に悪くて、特にお父さんのゲスさは酷い。
なのでこの映画、順を救うよりも、あの母を救えるか(変われるか)がポイントだと思って観てました。
あの母が変われれば自然と順は救われるはずですから。
いつだって子供の心を傷付けるのは大人だ、と思って観てましたね。
鑑賞データ
シネ・リーブル池袋 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
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