岸辺の旅 評価と感想/死者と旅するロードムービー

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繰り返し見るうちに良さが分かるかも  ☆4点

あらすじとかは映画.comさんでどぞ

浅野忠信さんと永瀬正敏さんの上映後トークがあったので観に行ってきました。

小説原作未読です。映画作品に対する予備知識もほぼ無しです。
黒沢清作品は何作か見てます。
黒沢作品のイメージは、ぬぅ~っと出てきて、ずぅ~っと迫ってくる感じで怖いイメージです。

ストーリーは失踪した夫が幽霊となって帰ってきて、妻と旅するロードムービー、ラブストーリーです。

最初の方を観てて、どういうところにお話が帰結するのだろう?と思いまして、黒沢作品なので、実は奥さん(深津絵里)の方が死んでたというオチじゃないかと思ったんですけど、違いました。
最後の方まで観て、この映画の世界観が分かりました。

この映画(小説)の世界観では、亡くなっても成仏できずにいる人は現世に厳然と存在してて、一般の人と同じように社会生活を送っているんですよね。
ただその人がこれまで生きてきた中で、関わってきた(親だったり、妻だったり、今まで住んだ所)以外のところで生活している。

それでこのお話は、夫が死んで幽霊となって彷徨ってた3年間で暮らしてたところを、お礼参りみたいな感じで妻と旅するんですね。
その旅の中で、生きてる間は知らなかった、夫の別の側面を知ることができて、そこがまた感慨深いわけです。

成仏できないってことは、現世になんらかの未練がある訳で。
現実の世界に居ると色々なしがらみの中で諦めてしまったこともある訳で。
そうしたことを幽霊となって彷徨ってる間に埋めていくんですね。

死んだ夫(浅野忠信)はお医者さんだったのですが、ある所では子どもたちに人気があって、村の人たちに色々ためになる面白いお話をしてて、先生とか呼ばれてたりして、妻も夫にはこんな一面もあったんだな、となるのです。

テーマは色々あると思います。愛する人を失った悲しみだとか、喪失感だとか、離れたくないという気持ち。
ただ死というものは否応無く厳然とある訳で、そのこととの向き合い方とか受け入れ方とか、そういうのを描いてたと思います。

なんとなくですが、この映画、最初に世界観が説明されてる訳ではないので、一回観ただけでは良さが分り辛いと思うんですが、繰り返し見てると段々と良さが分かってくる映画じゃないかなぁと。
このレビューを書くのに思い起こしているとそう感じてきました。

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