繰り返し見るうちに良さが分かるかも ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
3年前に夫・優介(浅野忠信)が失踪してしまってから喪失感を抱えていた瑞希(深津絵里)は、ようやくまたピアノ講師の仕事ができるようになった。そんな中突如優介が帰宅し、自分は死んだと告げる。優介に誘われるまま旅に出た瑞希は、初老の新聞配達員、小さな食堂を営む夫婦、山深くにある農園に住む家族といった3年の間に優介がお世話になった人々を夫と一緒に訪ねていく。空白の時を巡るように優介と一緒に過ごしながら彼が感じたことを同じように感じるとともに、見たことのない優介の一面も知っていく瑞希。二人は改めて互いへの愛を感じていくが、告別のときが近づいていた。
(MovieWalkerより引用)
ネタバレ感想
浅野忠信さんと永瀬正敏さんの上映後トークがあったので観に行ってきました。
原作小説は未読です。
映画作品に対する予備知識もほぼ無しです。
黒沢清作品は何作か見てます。
黒沢作品のイメージは、ぬぅ~っと出てきて、ずぅ~っと迫ってくる感じで怖いイメージです。
ストーリーは失踪した夫が幽霊となって帰ってきて、妻と旅するロードムービー、ラブストーリーです。
最初の方を観てて、どういうところにお話が帰結するのだろう?と思いまして、黒沢作品なので、実は奥さん(深津絵里)の方が死んでたというオチじゃないかと思ったんですけど、違いました。
最後の方まで観て、この映画の世界観が分かりました。
この映画(小説)の世界観では、亡くなっても成仏できずにいる人は現世に厳然と存在してて、一般の人と同じように社会生活を送っているんですよね。
ただその人がこれまで生きてきた中で、関わってきた(親だったり、妻だったり、今まで住んだ所)以外のところで生活している。
それでこのお話は、夫が死んで幽霊となって彷徨ってた3年間で暮らしてたところを、お礼参りみたいな感じで妻と旅するんですね。
その旅の中で、生きてる間は知らなかった、夫の別の側面を知ることができて、そこがまた感慨深いわけです。
成仏できないってことは、現世になんらかの未練がある訳で。
現実の世界に居ると色々なしがらみの中で諦めてしまったこともある訳で。
そうしたことを幽霊となって彷徨ってる間に埋めていくんですね。
死んだ夫(浅野忠信)は、お医者さんだったのですが、ある所では子どもたちに人気があって、村の人たちに色々とためになる面白いお話をしてて、先生とか呼ばれてたりして、妻も夫にはこんな一面もあったんだな、となるのです。
テーマは色々あると思います。
愛する人を失った悲しみだとか、喪失感だとか、離れたくないという気持ち。
ただ死というものは否応無く厳然とある訳で、そのこととの向き合い方とか受け入れ方とか、そういうのを描いてたと思います。
なんとなくですが、この映画、最初に世界観が説明されてる訳ではないので、一回観ただけでは良さが分り辛いと思うんですが、繰り返し見てると段々と良さが分かってくる映画じゃないかなぁと。
このレビューを書くのに思い起こしているとそう感じてきました。
鑑賞データ
テアトル新宿 TCGメンバーズ割引 1300円
コメント