清々しいまでのコケっぷりに敬意を込めて ☆1点
ワーナー・ブラザースがアーサー王伝説を題材にした全6部作のシリーズの第1作として製作したソードアクション娯楽大作で監督はガイ・リッチー、主演に『パシフィック・リム』のチャーリー・ハナム、敵役にジュード・ロウ
予告編
映画データ
本作の予告編はちょこちょこ目にしてたんですが、アーサー王の話はよく知らないのと、ガイ・リッチー苦手だなというのもあって、観る気無かったんです。
水曜レディースデイは映画館混むし、男性の自分が行ってもなおさら損なので、普段は行かないんですが、丸の内ピカデリーのオンラインチケット見たら、まだ公開5日目なのにガラガラなので気の毒になって観に行った次第です。
監督はガイ・リッチー
正直、マドンナとの結婚で名を上げた人というイメージが強くて、映画も前作の『コードネーム U.N.C.L.E.』しか観てないんですよねぇ。
コードネームアンクルは未だにヤフー映画の点数でも3.94点と高いんですが、自分には合わない監督なんだなぁと思います。
主演はチャーリー・ハナム
『パシフィック・リム』を観てないので初めましての方だったんですが、この大作で主役張るには弱かったかもしれないですね。
若い頃のカート・ラッセルみたいだなと思って観てました。
敵役ですけどもう一人の主演にジュード・ロウ
がっつり主演で出てたのは2013年のスティーブン・ソダーバーグ監督作品の『サイド・エフェクト』で観てます。
この作品、結構面白かったんですけど、あんまり話題にならなかった気がします。
共演にエリック・バナ
ブラッド・ピットと共演した『トロイ』を観たことがあります。
同じような役でした。
あと共演にアストリッド・ベルジュ=フリスベとジャイモン・フンスーとエイダン・ギレン
あらすじ
両親を殺され、スラムの売春宿でひとり貧しく生き抜いてきた青年アーサー(チャーリー・ハナム)。
彼はまだ、自分の偉大なる宿命に気づいていない。
アーサーの正体は、かつてのイングランド王の一人息子。
暴君ヴォーティガン(ジュード・ロウ)は兄であるユーサー王(エリック・バナ)に謀反を起こし、殺害。
ユーサー王は絶命する寸前、まだ幼かったアーサーを船で逃がしたのだった。
過酷な環境で鍛えられながら成長し、優しくタフな男として仲間の信頼を集めていたアーサー。
やがて聖剣エクスカリバーを手にした彼は、自らの過去、そして亡き父に代わり王の座を奪還するという運命を知ることになる――。
勇気ある仲間たちの力を借りて立ち上がった彼は、果たして宿敵ヴォーティガンを倒し、頂点の座に上り詰めることができるのか――!?(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
ネタバレといっても特に無くて、アーサーが勝つのは分かってるんでどう見(魅)せるかなんですが…。
冒頭に出てくる象のところはおもしろいんです。
象デカいですから。
ただそこ過ぎちゃうとタルいんです。
コードネームアンクルもそうなんですが、この監督の作品はオープニング過ぎると眠くなってきます。
この映画、キャッチコピーで「スラムのクソガキ、オレは王になる。ドン!!」って書いてあるんですけど、ガキの時代はミュージックビデオみたいに2分くらいで描いて終わりですからね。
ただこの2分でもめちゃめちゃお金かけてると思います。
で、そのあとはアーサーの周りに人が集まって、ワッーとなんかやってるんですが、これがよく分からないんです。
なんか作戦立ててるときでも、7~8人が集まって、それぞれが短い台詞で、把握しきれない固有名詞が出てきて、短いカットで繋ぎ、そのシーン自体もバァーっとやっちゃうんで、何やってんだか全く理解できないのです。
およそ監督は、観客にストーリーを理解してもらおうという心は持ち合わせてないと思います。
いかに凝った映像を見せるか、これだけでしょう。
出てくる登場人物も多いんですが、誰が誰だか全く分からないです。
最後に出てきて、「前の王との約束は守ってもらう」って高圧的だったのに、あっさりとひれ伏しちゃった彼らは何者?
観終わって、これ完全に失敗作でしょと思って、ツイッターで感想を検索したんですけど、日本だと評判そんなに悪くない。
ていうか、そもそも興味ある人しか観に行かないか。
海外ではどうだろうと思って調べるとロッテントマトでは驚異の28%(観客の方は74%)
アメリカでは興収どれくらいいってるんだろうと調べると、本作は日本では珍しく本国公開からあまり間がない。
日本はたいてい世界では一番遅いんですが、本作はアメリカでは2017年5月12日公開で、日本では『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー: リミックス』がアメリカより1週間遅れで公開されたのと同じ日で、まだ1か月ちょっとです。
アメリカでは2週目のガーディアンズにも敗れた3位スタートでオープニング興収も約1500万ドルでした。
製作費1億7500万ドル(しかもそれ以外にプロモーション費用で1億3500万ドル)でこのスタートは大コケだと思うんですが、1か月経った今でも3800万ドルくらいです。
世界では9900万ドルくらいいってるみたいですけど、本国イギリスでも600万ドルくらいしかいってないので完全な失敗作でしょう。
日本では6位スタートなんで最終的に5億いくかどうかでしょうか。
それで調べたら、冒頭に書いたようにシリーズ化を計画してたみたいなんですけど、記録的大コケを受けて白紙撤回されたみたいです。
そりゃ、あのストーリーテリングじゃ無理だと思いますよ、観客を完全に置いてけぼりにしてますもの。
この映画、ホントいい話題なくて、ベッカムが出てるんですけど、日本人が見てもビックリするくらい演技下手だったんですけど、誰が見てもそう思ってるようで、それも話題になってたみたいです。
日本では公開1か月前になって「聖剣無双」の字が取られ、邦題変更で話題になりましたが、印刷物とか刷っちゃってるでしょうから、金かかることこの上ないです。
まさに呪われた作品といっていいと思いますが、ここまで来たらゴールデンラズベリー賞とかそういうの総ナメにしてほしいですね。
これだけの失敗作を劇場で観れたのはある意味幸せで、歴史的大コケを記録した本作に敬意を込めた☆1点です。
鑑賞データ
丸の内ピカデリー SMTメンバーズ割引料金 1200円
2017年 101作品目 累計108100円 1作品単価1070円
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