『イット・フォローズ』評価と感想/ホラーの形態をとりつつも哲学的観念的な映画

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人とつながるということ  ☆5点

予告編はこんな感じです

映画データはこちらからどうぞ

映画『イット・フォローズ』の作品情報:各国の映画祭で高い評価を獲得し、クエンティン・タランティーノも絶賛の声を寄せたホラー。ある男との性行為を機に、他者には見えない異形を目にするようになってしまった女性に待ち受ける運命を見つめる。メガホンを取るのは、新鋭デヴィッド・ロバート・ミッチェル。
『イット・フォローズ』は2014年の映画。『イット・フォローズ』に対するみんなの評価やクチコミ情報、映画館の上映スケジュール、フォトギャラリーや動画クリップなどを紹介しています。
”それ”は人からうつすことができる。
”それ”はゆっくりと歩いてくる。
”それ”はうつされた者にしか見えない。
”それ”に捕まると、必ず死ぬ-。

アメリカでは”それ”が何?なのかで盛り上がってヒットに繋がったみたいですが、所謂、低予算で思いがけずヒットしたホラー映画で期待して観に行くと、期待を裏切られると思いますし、低評価になると思います。

もう少し哲学的・観念的な映画で、”それ”が何なのかに思いを巡らせないとこの映画は面白くないと思います。

ストーリーの骨格は和製ホラーの金字塔『リング』に近いものがあると思います。
”そのビデオを見ると、一週間後に死ぬ”
”しかし誰かに見せれば死は回避できる”


映画『リング』では自分の子供が偶然ビデオを見てしまって、その子供を助けるために誰かにビデオを見せねばならない母親の葛藤も描いていて、単なるホラーに留まらず家族愛とか親子愛とかも描いていたと思うのですが、この映画もテーマはわりとそういうところにあるんじゃないかと思います。

私が考える”それ”とは、我々が日々暮らす中で感じる”不安”とか”恐れ”みたいなものだと思います。

でもその不安とか恐れといった恐怖が無いと、人間はわりとあっさりと死ぬと思います。
高いビルの屋上でも怖くない、駅のホームの端を歩いても怖くない、車が沢山通る大通りを横断しても怖くない。等々…

主人公のジェイ(マイカ・モンロー)はプレイボーイな感じのグレッグ(ダニエル・ゾヴァット)とセックスして”それ”をうつしますが、”それ”にあまり恐怖を感じなかったグレッグはあっさり死んでしまいます。

”それ”はうつされた方は100%見え、うつした方もしばらくは見えます。
つまり恐怖を共有出来るのですが、それは相手の不安や恐れといったものを思いやることに繋がるわけで、希薄な人間関係では成り立ちません。

この映画、見ず知らずの人間とセックスすれば”それ”をうつせますが、それだと問題解決にはなりません。
うつした人間が死んでしまえば”それ”は自分の元へ帰ってきてしまうからです。

なので、うつした人間をどうやって生かすかになると思うのですが、それってもう家族とかの関係になる訳で、”それ”という恐怖を共有して生きていく訳です。

幸いにして”それ”は突然にやってきません。
ゆっくりゆっくりと追いかけてくるだけです。
夫婦という二人の共同作業で乗り切っていけるのです。

ところでこのデヴィッド・ロバート・ミッチェルという監督、長編2作目だそうですが、カメラと音楽が素晴らしいです。
中々に力量がある監督だと思いまして、今後の作品は要チェックな感じがします。
今作のテイストはドゥニ・ヴィルヌーヴの『複製された男』を彷彿させて通り一遍なホラーとは一線を画すと思います。

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2016年 3作品目 累計6500円 1作品単価2167円

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