インサイド 評価と感想/超・予定調和スリラー

インサイド 評価と感想
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主人公が馬鹿すぎる ☆1.5点

2007年にフランスで製作されたR18+のスプラッター・サスペンス『屋敷女』をアメリカ・スペイン合作でリメイク。
交通事故で夫を失った聴覚障害で妊婦のヒロインが正体不明の女に自宅で襲われるスリラー。
監督は『スペイン一家監禁事件』のミゲル・アンヘル・ビバス、主演にレイチェル・ニコルズ、ローラ・ハリング

予告編

映画データ

インサイド : 作品情報 - 映画.com
インサイドの作品情報。上映スケジュール、映画レビュー、予告動画。耳に障がいを持った女性が音のない世界で正体不明の女に襲われるサスペンススリラー。アレクサンドル・バスティロ&ジュリ...

本作は2018年7月13日(金)公開で、全国34館での公開です。
今後順次公開されて、最終的には53館での公開となるようです。

劇場では予告編を見たことなかったんですが、今年はホラーを見てなくて、ようやく先日観た今年最初のホラー『ウィンチェスターハウス』がイマイチだったので、夏だし、ホラーだし、リベンジとばかりに観に行ってきました。

監督はミゲル・アンヘル・ビバス
スペイン人監督で初めましてです。
長編映画は4本目のようで、2作目の『スペイン一家監禁事件』でオースティン・ファンタスティック映画祭の最優秀ホラー賞と最優秀監督賞を受賞し、3作目の『ハーモニー・オブ・ザ・デッド』が初めて英語で製作されソニーピクチャーズで世界配給となったようです。

主演にレイチェル・ニコルズ
2009年に『スター・トレック』と『G.I.ジョー』と大作に立て続けに出演していたようですけれど、初めましてです。

主演にローラ・ハリング
どこかで見た顔だなぁと思いましたが『マルホランド・ドライブ』でナオミ・ワッツの相手役でした。

ダイアン・レインに似てる気がします。

他に共演と配役は以下の通りです。

サラ: レイチェル・ニコルズ
女: ローラ・ハリング
ブライアン: デイビット・シェバーズ
アイザック: ベン・テンプル
女性警察官: アンドレア・ティバダル
警察官: スタニー・コペット
産婦人科医: スティーブ・ハワード

あらすじ

間も無く子どもが生まれる幸せな夫婦。しかし、妻・サラ(レイチェル・ニコルズ)が運転中、不運な事故に巻き込まれる。車同士の正面衝突でサラは重傷を負い、夫は帰らぬ人となった。お腹の子どもは奇跡的に無事だったが、サラには補聴器がなくては音が聞こえない障害が残ってしまった。
失意の中、子どもの誕生だけを人生の支えに日々を過ごしているサラ。クリスマス・イヴの日、検診に行くと主治医から「予定日から少し遅れているが心配ない」と伝えられ安堵する。
その夜。眠りにつこうとすると扉をノックする音が聞こえる。ドアスコープをのぞくと顔は見えないが、人影がある。その人物は、車が壊れたため電話をしたいと訴えてくるのだ。声からして女(ローラ・ハリング)だがどこか不審な空気を感じ取る。「主人は寝ているからドアは開けられない」と伝えると「なぜ嘘をつくの?死んだのよ。」と言い、ドアを開けようとしてくる。サラが強い言葉ではねのけると、女は姿を消した。心配になったため警察を呼び、事情聴取を受ける。
外は激しい雷雨が降り注ぐ。不安を残しつつもサラは再び眠りについていた。雷とともに浮かび上がる人影。部屋には正体不明の女が侵入していたのだ。女はサラに薬を嗅がせ、より深い眠りにつかせる。そして注射を打つと手を洗い、何かを始めようとしている。
女が洗面所から戻ってきたところで間一髪目覚めるサラ。女を必死に振り払い、命からがらバスルームに逃げ込む。しかし、この状況で急な陣痛が始まる。女が彼女に投与したのは陣痛促進剤オキシトシンだったのだ。今にも産まれそうな痛みを堪えるサラ。
身重のため脱出は不可能。正体不明、目的不明の狂気に満ちた女。外は雷雨。助けはこない。サラの長い一夜はまだ始まったばかりだ。

(公式サイトhttp://inside-movie.jpより引用)

ネタバレ感想

ホラーかと思って観に行ったらスリラーで拍子抜けしたんですけど、ジャンルとしてはサイコサスペンススリラーって感じだと思います。

リメイクということも知らないで、公式サイトを見ても監督メッセージのところで、チラッと触れられているくらいなんですけど、『50回目のファーストキス』といい、最近はリメイクであるのを隠す風潮なのかな。

一応、観る前にヤフー映画の解説に目を通してたんですけど、そこにはシチュエーションスリラーって書いてありますね。
なんでホラーと思い込んでたんだろ(笑)

「聴覚に障害のある妊婦」って書いてあったんで、てっきりずっとそうなのかと思ったんですけど、交通事故によるものらしく、それは公式サイトのストーリーを読むまで気づきませんでした。

主人公のサラは検診の帰りに車を運転して帰るんですけど、助手席に乗ってる夫と子供の名前について話してたら、赤ちゃんが初めてお腹を蹴ったことに気を取られて正面衝突の交通事故を起こしてしまいます。
これは後から分かるんですが、主人公の方が対向車線にはみ出してたみたいです。
お腹の子は無事だったんですけど、夫を亡くしサラは意気消沈しています。

夫を失って耳にも障害が残ってしまったサラは出産が不安なんですけど、予定日の検診で医師から帝王切開を勧められますが、やんわりと拒否すると、2,3日経っても産まれなかったらオキシトシンで陣痛を促進しましょうという話でまとまり自宅に帰ります。

自宅は豪華な一軒家なんですけど、夫を失って一人で暮らしてるんでガランとしています。
通りを挟んだ斜め向かいに古い一軒家があるんですが、誰が住んでるのか分からず不安を煽ります。
ただサラは隣人のゲイのカップルとは良好な近所づきあいをしてるようで、一人で出産を迎えるサラを心配して片方が様子を見に来てくれます。
クリスマス・イブなんで、「夜になったら食事に来ない?」と誘われるんですが、サラの母親が来る予定があり断ると一人で夜を迎えます。
母親は何時に来るか分からないのでポストに鍵を入れてあります。

すると、上のあらすじにあるように不審な女が訪ねて来て~、という流れになります。
女の様子からは明らかに赤ちゃんを手に入れたい様子が窺えます。
サラはバスルームに逃げ込んで立て籠もるんで『シャイニング』みたくなります。

斧じゃなくて包丁でしたけど。

すると、そのタイミングで、夕方に訪ねてきてくれたゲイの人が訪ねてきてくれます。
サラは警察に電話した時に、隣人にも電話して着歴を残していたので、折り返しても出ないサラを心配して訪ねてきてくれた訳です。

呼び鈴が鳴ったんで女は冷静を装って玄関に出ると、隣人は母親が来ることを聞いてたので女を母親と勘違いします。
女が「娘は体調が悪くて休んでる」と言うと、隣人はそれを信じて帰ろうとするんですが、そのタイミングで本当の母親がやってきます。
隣人が女と本当の母親に戸惑ってると、娘を心配した母親が家に入って行き娘を探します。
そのときにはサラは女がバスルームの前からいなくなってたんで、2階の部屋のクローゼットに身を潜めていました。
サラは母親がクローゼットにやってくると女と勘違いして首に包丁を突き刺して殺してしまうのでした。

うーん、この辺の展開で予定調和臭がプンプンするんですが、サラが母親の死に悲しんでると女がやってくるので、また別の部屋に立て籠もります。

すると今度は隣人が心配して家の中に入ってくるので女に殺されます。
邪魔者がいなくなると女はまた「出てこーい」ってなります。

サラが逃げ込んだ部屋のすべり出し窓からは隣人の家が見えてて、もう片方のゲイに助けを求めますが手を振ってると勘違いされます。
するとその背後に女が現れ、もう片方のゲイも殺されてしまいます。

サラはその隙に部屋を出て玄関から逃げようとしますが、隣人が殺されるのを最後までしっかり見てモタモタしてるんで、女が戻ってきてしまい、また立て籠もります。
身重で機敏に動けない設定とはいえ、そうでないときもあるので、予定調和過ぎて観ててうんざりしてきます。

それで再び立て籠もってると今度はパトカーがやって来ます。
最初の事情聴取のときに警察官からあとでパトカーを回すと言われたのでやってくるんですが、豪雨が降ってるんでパトカーの中ではベテランの男性警官が行くか、新人の女性警官が行くか話してます。
結局、男性警官が呼び鈴を鳴らすと女はまた冷静を装って対応します。
男性警官は女をサラと勘違いして、「もう大丈夫です」と言われるとパトカーに戻ってきます。
女性警官から「お腹は大きかった?」と聞かれると男性警官は「しまった」と言って、再び家の中に入って行きますが、案の定、女に殺されます。
この隙にサラはまた別の部屋に隠れると、男性警官を殺して戻ってきた女に襲い掛かり気絶させるんですが、母親には首を一刺ししたのに、なぜ止めを刺さないのか?と思ってしまいます。

女性警官は、戻ってこない男性警官を心配して家の中に入ってくると男性警官の死体を見つけます。
するとサラはそのタイミングで2階から降りてきて女性警官に助けを求めるんで、案の定、思いっきり疑われます。
お腹の大きいことを強調して信じてもらうと、2階のベッドに女が倒れてるんで逮捕してくれと言いますが、案の定、女はいないので女性警官は再びサラを疑います。
結局、女性警官も女に隙を突かれて殺されてしまいます。

サラはこの隙に玄関から家を出ると車に乗りますが、ここでも警察に電話してモタモタしています。
「とっとと発車させればいいのに」と思ってると、案の定、女が助手席の窓を破って乗り込んできます。
サラは慌てて車を発車させると、女は「お前は車を運転しちゃいけない」と意味深なことを言って揉み合いになります。
数百メートル走ったところで電柱に激突すると、女は気絶してるので、その隙にサラは逃げ出します。

サラは激突した電柱から、明かりがついてる一番近い家に逃げ込みますが、そこは例の古い一軒家です。
応答がないのでサラが入っていくと、2階の部屋にはカメラが設置してあり、レンズはサラの家に向けられていました。
壁にはサラの写真や情報がビッシリと貼られていて、しばらくすると女が現れます。

女は自分の正体をバラすと、正面衝突した事故の被害者だったことが分かります。
女もサラと同じように妊娠してましたが、事故のため流産していました。
自分が失った赤ちゃんを手に入れるため、サラのお腹の子を狙っていたのでした。

うーん、レイチェル・ニコルズ1980年生まれの38歳、ローラ・ハリング1964年生まれの54歳、ゲイには母親と信じられたり、その年齢で妊娠してたり、いやローラ・ハリングは全然若く見えるんですけど、じゃあ母親に間違えられるか?っつう問題もあったりして設定が雑だなぁと思います。
まぁ、そのおかげで謎の女が冒頭の事故の被害者だったとは想像もつかないのですが…。
あと、聴覚障害の設定、全然意味無かったです。

それで、ここでもバトルになってサラが逃げ出すと、裏庭にあるシートで覆われたプールの上に追い詰められます。
サラと女はシートの上で揉み合いになると、女が手にしていたナイフでシートが切れ、2人はプールに沈みます。
シートで覆われてるので息を吸う場所がなく、お互いが苦しくなると、プールの底に沈んだナイフを見つけ女がシートを丸く切り裂きます。
女は意識を失いかけてるサラをシンクロ技でいうところのリフトすると、丸く裂かれたシートの間からサラが顔を出し息を吹き返すんですが、出産をイメージしてるんだと思います。

最後に女はサラに同情して助けますが、自身は沈んでいきます。
シートの上に這い上がったサラは産気づいて、プールの上で出産しますが、これも赤ちゃんの生と女の死を対比させてると思うんですけど、最後にドラマティックにしてどうする?と思います。

 

『屋敷女』の予告編を見ると、作品自体がR18+指定のようですが、本作はR15+なので圧倒的にマイルドに仕上がってます。

公式サイトのイントロダクションには

「2016年大ヒットを記録した『ドント・ブリーズ』に次ぐ、 エクストリーム・シチュエーション・スリラーが日本を襲う!!」

と書いてありましたが、遠く及ばない感じだと思います。

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そんなに有名な人も出て無いですし、DVDスルーでもいいんじゃないかなぁ?という感じの作品でした。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2018年 120作品目 累計115700円 1作品単価964円

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