ポスターエロいんだからヤレよ ☆3.5点
2014年7月期のフジテレビの連続ドラマ「昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜」の映画化で監督はドラマ版に引き続き西谷弘。
主演もドラマ版に引き続き上戸彩と斎藤工でドラマから3年後を描く。
予告編
映画データ
連続ドラマはリアルタイムで見てて、ハマったクチです。
このクールのフジテレビのドラマは月9のHEROが20%超えてて、火9のあすなろ三三七拍子は重松清原作で、火10のGTOが爆死してて、水10の若者たちが杉田成道演出でコケて、木10の昼顔がスマッシュヒットだったんですね。
HEROは視聴率よかったですけどあんまり面白いとは思わなくて、若者たちは出だしよかったんですけど最後グダグダになって、あすなろは地味に面白くて、一番面白かったのは昼顔でした。
なので昼顔が映画化と聞いて、ドラマで完結してるのに何で?と思いまして正直観る気しなかったんですよね。
2014年に新語・流行語大賞にノミネートされた昼顔も、2016年にはゲス不倫に上書きされ、2017年の今、映画でやる意味あるの?と思って、そんなにヒットもしないだろうと思ったんですけど、蓋を開けてみれば幸先のよいスタートみたいで、あれ?と思ったので観に行った次第です。
監督は西谷弘さん
フジテレビのディレクターです。
映画は『県庁の星』『容疑者Xの献身』『真夏の方程式』などを監督してます。
主演は上戸彩さん
映画ではあまり見かけませんが、同じフジテレビと東宝作品の『テルマエ・ロマエ』が印象が強いでしょうか。
W主演で斎藤工さん
芸歴長く出演作も多いですが、このドラマのヒットでブレイクし、一躍全国区になりました。
映画は大作からカルト的なものまで様々なものに出てます。
共演に伊藤歩さん
この方もドラマ版から引き続きです。
昨年のフジテレビドラマ「営業部長 吉良奈津子」でも怖い役やってたんですけど、脚本が井上由美子さんで同じでした。
伊藤歩使いが上手いかもしれない。
共演に平山浩行さん、黒沢あすかさん、渋川清彦さん、志賀廣太郎さん、三浦誠己さん、松居大悟さん。
顔ぶれを見ると映画ならではのキャスティングという気がして、なかなかどうして。
あらすじ
お互いに結婚していながら、惹かれあい愛し合うようになった笹本紗和(上戸彩)と北野裕一郎(斎藤工)。
その一線を越えた関係はいつしか明るみになり、ついに二人は別れざるを得なくなってしまった。
そして、紗和は夫とも別れ一人になった。
あれから3年―
紗和は海辺の町で慎ましく暮らしていた。
オーナーの杉崎尚人(平山浩行)が営むレストランでの見習いと狭いアパートの往復が日課で、北野の夢を見る事さえ既に無くなっていた。
海岸沿いの小さな町には、彼女の過去を知る者は誰もいない。
一方、大学の非常勤講師となっていた北野は蛍に関する講演を、ある街で行う事に。
講演中、客席に目を向けたとき、彼は言葉を失ってしまう。
そこには、紗和の姿があった。
「神様は、私を試していたのでしょうか」
運命のいたずらか、再びめぐり会う二人。
あの時に交わした愛を忘れられず、どちらからともなく逢瀬を重ねていく。
清流ながれる蛍の住処が“約束の場所”。
そんな中、二人の前に現れたのは、北野の妻・乃里子(伊藤歩)だった……。(公式サイトhttps://www.toho.co.jp/movie/lineup/hirugao-movie.htmlより引用)
ネタバレ感想
前述の通り、映画化には否定的だったので、どうやってアラ探してやろうかと思って観てたのですが、そんなに悪いトコ無かったんですよね。
まぁ元々のドラマが映画的な雰囲気があったので、映画化には向いてたんですが、あとは脚本をどうするかでした。
映画でも冒頭、乃里子と紗和が交わした合意書が読み上げられますが、約束を破って裕一郎と会ったらその後、毎月慰謝料30万だったはずなんですけど、そんなのお構いなしに紗和は裕一郎の講演に出かけます。
その後は、お互いホタルを探しに来たって体(てい)で会い続けますが、小学生の言い訳じゃないんだから、口きいてないとか、バスの窓ガラスに文字書いてとか、ちょっと無理があると思うんですけど、まぁいいです。
で、ドラマのときから乃里子はカンがいいですから、すぐバレるんですけど、あの駅前でクラクション鳴らすの怖かったですね。
それで、ホテルの部屋に場所を移して、紗和と裕一郎と乃里子で話し合いがもたれるんですけど、ホタル探してるときの2人の言い訳、口もきかないし、連絡先も交換しないしっていうのを乃里子が聞いて「私たちはそれくらい純粋で愛し合っていると言いたいわけ?」と怒るじゃないですか。
それで「分かったわよ、別れてあげる」って言って「ただし条件が1つある」って言うんですけど、その条件が
「そこまで純愛なら、私の目の前で結ばれなさいよ」
というものだったんですけど、キターーーーーーと思いましたね。
いや、ドラマ版の吉瀬美智子さんが居なくなっちゃったんで、エロ要員いなくなっちゃったんですけど、ここは結婚してお子さんも生まれた上戸さんに一肌脱いでもらって…。
と思ったら脱がない。
あっさり拒否。
あの乃里子が別れてくれると言ったんだぞ、お前ら、ちっとは根性見せろと思うんですが、ヤラない…。
ヤッてれば死ななくて済んだのに(あ、ネタバレ言っちゃった)、ヤラない。
うーん、上戸彩ちゃんの肥大化してた胸も結婚した後はすっかりしぼんでしまっていて、あとは何を楽しみにして観ればいいのか、テンションダダ下がりです。
ホテルを出て行った紗和を追いかけて裕一郎が出て行って、それを乃里子が追いかけて出ていくと。
…数か月後、とかなって、あっさり紗和と裕一郎が一緒になっちゃってるんですな、これが。
毎月30万の借金を背負って風俗に堕ちてそれでも裕一郎を支えるとか、そういう展開にならない。
ヌルい、ヌル過ぎるんですけど、まぁいいです。
暫くは紗和の部屋に裕一郎が転がり込み、お花畑な生活が。
一緒に暮らしてるんで、籍入れたと思ってたら裕一郎はまだ離婚していなくて、何やら不穏な動きが。
裕一郎は紗和には仕事行くって言ったのに、職場には休暇届出してて、それが記入不備でFAX送られてきてバレるっていう。
家帰ってきた裕一郎がFAX届いてるのに気づいて慌てて隠しますが、普通は気づかれてるのが分かると思うんですが、まぁいいです。
裕一郎はちょくちょく出かけるようになるんで、明らかに怪しいんですけど、二重生活に入ったのかなと。
不審に思った紗和が裕一郎を尾けていくと、乃里子と会ってるのが分かってショックを受けます。
その後は一緒に暮らしててもギスギスした雰囲気になります。
職場でもオーナーに話したW不倫の過去の話が広まっていて、先輩同僚(黒沢あすか)たちから、シカトされます。
黒沢さん、海の近くの役だから、焼いたのかな?と思いましたけど、日焼けメイクでした。
「昼顔」"田尻 絹江"ガッツリ日焼けメイク。浴衣も着たりなんかして。 pic.twitter.com/itaSb4sS3z
— 黒沢あすか (@Krosawa_ask) 2017年6月12日
紗和は職場も辞め、白黒つけるべく階数しか分からない乃里子のマンションに向かいます。
オートロックなんで701号室からピンポンしてって、声が違ったら間違えました、とやって705号室で当たりでした。
乃里子はすんなりオートロックを解除してくれ、部屋に入れてくれると車椅子生活でした。
階段から落ちて怪我したそうで、それを知った裕一郎がマンションを引き払うための片付けや買い出しを手伝ってくれていたのが、ちょこちょこ出かけていた真相でした。
乃里子は離婚に同意しているが、両親が慰謝料を取れと納得していなく(至極もっともだと思います)、もう少し待って欲しいと言われ、紗和は安心して帰っていきます。
ただ裕一郎には階段から落ちたって言ってましたが、実は7階から飛び降りたのでした。
乃里子ターミネーター化の始まりです。
数日経って、夏祭りの日。
裕一郎は乃里子から離婚届が出来たから、いつでも取りに来てと言われ取りに行きます(送ってもらえばいいのに)。
紗和は港の市場(渋川清彦)で買い物してると、祭りで露店を出してる絹江(黒沢あすか)に呼び止められます。
オーナーのところに連れていかれると、先日、紗和を非難したことを謝られます。
オーナーとのエピソードは、当初、紗和はオーナーに言い寄られてたんですけど、親しくなるうちにW不倫の修羅場があって今に至ることを話してしまったんですね。
オーナーも初めは、東京で同僚を殺してとか、ホントは妻が死んで会社人間でいるのに疲れて、こっちでオーナーになったとか言ってたのですが、本当は自分の部下と妻に浮気されて為す術もなく地方に逃げてきたのでした。
なのでそんな話を聞いて紗和の中に昔の自分の妻を思い出し腹が立って、不倫してるのを周囲に言いふらし、傷付けている人の気持ちを考えたことがあるのかと責めたのでした。
この辺はあれですね、現在放送中のTBSドラマ「あなたのことはそれほど」で小田原(山崎育三郎)が美都(波留)のことが好きかと思いきや、涼太(東出昌大)のことがずっと好きで思いを秘めてたのに、そんなのお構いなしに不倫してる美都を、けちょんけちょんにけなすのと似ていて、最近の不倫許すまじ感が強く出てると思いました。
絹江たちと仲直りした紗和は盆踊りに参加させてもらいます。
その頃、裕一郎は乃里子から離婚届を受け取っていました。
最寄り駅まで送ってくれる乃里子でしたが、途中で心変わりし裕一郎の街まで送ると言います。
裕一郎を降ろしてしまっては本当に関係が終わってしまうと思い詰めた乃里子は、徐々に車のスピードを上げるとガードレールを突き破って事故を起こしてしまいます。
場面変わって病院。
棺が映し出され裕一郎が死んでしまったことが分かります。
泣き崩れる紗和。
まだ離婚は成立しておらず、親族でもない紗和が呼ばれるのは不思議ですが、警察からも事故の様子を報告されます。
(警察は内縁関係と認識しているということでよろしいか?)
取り乱す紗和に話を聞くように言いますが、別に聞かさなくてもいいんじゃね?と思います。
呆然自失の紗和。
街の駅の踏切まで来ると、線路の信号機がホタルに見えます。
線路に入る紗和。
松本伊代さんと早見優さんのことがあるので、線路入っちゃいけないんだぁと思って観てますが、映画だからいいです。
信号が赤になってしまいホタルの灯りが消えてしまうと、線路に寝そべり裕一郎と見た星空を見上げるのでした。
紗和はそのまま線路に寝そべっちゃうので、ナーヴの電車のシーンみたくなるんじゃないかとヒヤヒヤしました。
が間一髪でホームに上がって助かりました。
病院前。
紗和が通りに立ってると乃里子が顔に包帯、足にギプス、手は松葉杖をついて出てきます。
乃里子は事故から助かったのでした。
まさにターミネーター
アイルビーバック
乃里子と紗和は病院から最寄り駅までバスで帰ります。
車内で乃里子は紗和に「私が殺したと思ってるでしょ」と言いますが、あとの祭りです。
紗和は裕一郎の遺品のレシートにあった指輪を知らないか乃里子に尋ねますが知らないと言われます。
裕一郎は離婚届を出したら翌日入籍しようと言ってました。
ホタルの見える川辺で2人だけの式を挙げる予定でした。
指輪はサプライズで川辺の百葉箱の中に隠していました。
最寄り駅に着くと、乃里子の両親が車で迎えに来てます。
一瞬見えるお父さんはドラマ版の最終回に出てきた中村育二さんです。
両親はなぜ最初から病院まで迎えに来なかったのか?
エピローグ
紗和は妊娠していて裕一郎の子を宿しています。
指輪は川辺で遊んでる子たちが壊れた百葉箱の中から見つけ、男の子が女の子に付けてあげて映画は終わります。
映画は細かいところをツッコめばキリが無いんですけど、それでも雰囲気がいいので見せてしまう感じで、ドラマ版見てない方が整合性も取れる感じで、映画単体としてはまとまってるのかなぁとは思います。
登場人物も絞って(ドラマでは姑は高畑淳子さんでしたからうまく回避しました)、お話もおそろしくシンプルなんですけど、不思議と上映時間125分は長く感じませんでしたね。
ラストは賛否両論あるみたいですね。
ハッピーエンドがよかったという人が多いみたいですけど、自分はこの方が映画的だなと思いました。
ドラマオンエア中から「高校教師」っぽいところがあるなぁと思いましたが、映画はまさにそんな感じでした。
ただやっぱりですね、地上波で出来ない表現はバイオレンスかエロだと思いますので、せっかく映画にするならば、ここはもっとドラマ版よりエロの方に舵を切って頂きたかったなというのが正直なところで、ただのスケベな中年オヤジの感想でございました。
鑑賞データ
TOHOシネマズ日劇 TOHOシネマズデイ 1100円
2017年 97作品目 累計103500円 1作品単価1067円
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