さすがアカデミー脚本賞! ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
そう遠くない未来のロサンゼルス。ある日セオドアが最新のAI(人工知能)型OSを起動させると、画面の奥から明るい女性の声が聞こえる。彼女の名前はサマンサ。AIだけどユーモラスで、純真で、セクシーで、誰より人間らしい。セオドアとサマンサはすぐに仲良くなり、夜寝る前に会話をしたり、デートをしたり、旅行をしたり……一緒に過ごす時間はお互いにとっていままでにないくらい新鮮で刺激的。ありえないはずの恋だったが、親友エイミーの後押しもあり、セオドアは恋人としてサマンサと真剣に向き合うことを決意。しかし感情的で繊細な彼女は彼を次第に翻弄するようになり、そして彼女のある計画により恋は予想外の展開へ――!“一人(セオドア)とひとつ(サマンサ)”の恋のゆくえは果たして――?
(公式サイトより引用)
ネタバレ感想
設定的には生身の人間を人工知能搭載のOSに置き換えただけで、従来からあるラブストーリーですが、絞り込まれた少ない登場人物と、何よりももう一方の主役であるher(彼女)の姿がないので、おのずと会話劇になるしかないのですが、その膨大な量の台詞が圧倒的に素晴らしく、さすが第86回アカデミー脚本賞を受賞しただけのことはあると思いました。
台詞が素晴らしいと書きましたが、スパイス・ジョーンズ監督作は『マルコヴィッチの穴』しか観てませんが、本作は画面の色使いや全体的なデザインも素晴らしくおしゃれで、画面に登場する小物のプロダクトデザインなんかも商品化すれば凄く売れるじゃないかと思いました。
主人公のセオドア(ホアキン・フェニックス)は手紙の代筆業をしているので、言葉を操るのには長けている訳ですが、そのことによって本来なら「言葉」とセットになって付いてくる「感情」がうまく付いていっていない印象を持ちました。
幼馴染の奥さんとの離婚(協議中)のダメージも大きいのでしょうが、感情がうまく付いていけなくて、生身の人間と深く関わっていけないというか。
OSのサマンサ(声:スカーレット・ヨハンソン)との恋愛も初めの頃は、普通のカップルと同じように蜜月です。
ただ時間が経つとどうしても綻びが出てくる。
お互いわがままもいうし、喧嘩もする。
奥さんのキャサリン(ルーニー・マーラ)ともそうですが、結局そこをどうやって乗り切れるかなんですが…。
この映画、奥さんであるキャサリンとの恋の終わりとOSのサマンサとの恋の終わりと二つあるから、より一層切ないんですが、実際映画観ててこの二人お似合いじゃないかな?と思うのはエイミー(エイミー・アダムス)なんですよね。
サマンサのこともキャサリンのことも相談できて理解してくれて、エイミーは離婚しちゃいますし。
セオドアとエイミーは大学時代、少し付き合ってたみたいですが、そのあと別れても友人関係は維持できてる訳ですし、結局一番ウマが合うってことじゃないかなぁと。
セオドアとエイミーがマンションの屋上で朝日を見て、もたれかかるようなラストショットからも、この二人付き合ったらいいんじゃないかと思いますよね。
大学時代に少し付き合ってた彼女と焼けぼっくいに火がついて、みたいなお話は柴門ふみさんの漫画にありそうな展開ですが、この映画もキャサリンとサマンサとの恋の終わりとみると凄く辛いですが、エイミーとの始まりみたいにみれば救われるかなぁと思いました。
ホント、サマンサとの恋の終わりに引きずられると、ダメージでかいですから、この映画。
鑑賞データ
ヒューマントラストシネマ有楽町 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
コメント
[…] 引用:eigamanzaiの映画レビュー […]