田中泯さんの前衛的な踊りが見れます ☆2.5点
予告編
映画データ
甫木元空(ほきもとそら)監督のデビュー作です。
甫木元さんて珍しい苗字ですよね。
青山真治監督が多摩美で教えていた生徒さんになるのかな。
で、プロデュース作品です。
あらすじ
森の木々がざわめきを止めるほんの短い時間、それも客の来ない明るい昼下がり、店長(山本圭祐)は、ばー(りりィ)は自分と一緒に死ぬためにここへ来たのではないかと想像する。ここでまこと(川瀬陽太)と出会ったと言うのは嘘で、あらかじめ父(田中泯)と言い交わした約束があって待っていたのではないかと。だから父のすぐあとにやってきた姉と弟の、幼い弟はる(岩田龍門)に自分を重ねてしまう。店長は、父を森へいざなったことの自分への言い訳ではないかと考える。すべては仕組まれたことと考えれば生きやすくなるが、そういうごまかしが通じないのがこの森であることを、店長自身が誰より知っていた。それに、誰かがあれが父だと教えたわけでもなく、ばーとまことがいつもより浮かない顔をしていたので、勝手にそう考えただけだ。そもそも、ばーが本当に母はどうかも分からない。店長は、この森にいて自分が自分でいられる唯一の術であるとでもいうように、ギターをチューニングする。店長が森へいざなった誰かの置き土産のギターを弾き、歌うと、森も歌った。店長はふとギターを止める。聞いたことのない音を聞いた気がしたのだ。はるの歌声もとぎれとぎれに聞こえる。また勝手な考えを巡らせ、店長は今日来る客を想像する。
(Movie Walkerより引用)
ネタバレ感想
映画は映像詩といいますか、映像歌劇になっていて、ストーリーらしいストーリーは無いので観ててもよく分からないです。
ただ葉っぱが風で揺れる音とか、そういう自然の音を全て人間の声(ささやき声)でやってるので、珍しいといえば珍しいです。
あの店長は冥界への案内人みたいになるのかな?
でも店長の上にはオーナー(川瀬陽太)がいるんですけど、お店には来なくて自転車でぶらぶらしてます。
りりィさんはこれが遺作になるのかなぁ、窓際でずっと編み物してました。
去年は『リップヴァンウィンクルの花嫁』が衝撃的で、あと『湯を沸かすほどの熱い愛』で観ました。
力強い声が素敵でしたね、合掌。
(ウィキペディア見たら来月公開される『彼らが本気で編むときは、』というのに出てるみたいです。編み物をモチーフにした映画みたいで今作と共通項がありますね)
田中泯さんは踊ってるところを初めて観ました。その存在を知ったのは『メゾン・ド・ヒミコ』からですけど、映画で踊ってるのは初めてじゃないかな?
ああいう踊りは石井輝男監督の『恐怖奇形人間』の土方巽さんから知りました。
昔は山海塾とかよくニュースで取り上げられてたんですけど、最近はあまり目にしない気がします。
正直、自分は眠くなってしまって睡魔との闘いだったんですけど、面白いか面白くないかでいえば面白くなかったです。
ただ監督の、音とか歌が好きなんだなぁ、っていうのは伝わってきました。
擬音というか擬声というかオノマトペ、そういうのは楽しかったです。
ああ、眠くなっちゃったのは絵本読んでもらってるみたいな感じなのかなぁ。
画面上では何も起きてないのに戦争的な音が聞こえるのは松田優作さんの『野獣死すべし』とか塚本晋也監督の『KOTOKO』とか思い出しました。
あと、子役の子がすごく良かったです。
鑑賞データ
ユーロスペース 鑑賞券 1500円
2017年 5作品目 累計1500円 1作品単価300円
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