想像していたより ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
江戸時代末期。新吉原の人気女郎・朝霧(安達祐実)は、囚われの身ながらも地道に働き続け、間もなく年季明けを迎えようとしていた。そんなある日、朝霧は縁日で染物職人の半次郎(淵上泰史)と出会う。幼い頃に母から受けた折檻のつらい記憶から、心を閉ざし空っぽな日々を送っていた朝霧だったが、半次郎に生まれて初めて胸のときめきを感じ、今まで知らなかった女性としての気持ちが徐々に目覚めていく。だが、半次郎との出会いが朝霧の運命を大きく変え、やがて過酷な現実が彼女に襲いかかってくるのだった……。
(Movie Walkerより引用)
ネタバレ感想
しっかりとした、味わいのある作品でした。
はじめに脱ぎありき的な企画なのかと思っていたのですが、そうではなく、小説やコミックの原作があって人気がある作品だったんですね。
原作は未読です。
映画が始まってすぐ、カメラワークや映像のテンポがとてもしっかりしていて、なんとなくこれはいい映画ではないかと感じました。
劇伴もよかったです(と思ったら、音楽は『ばしゃ馬さんとビッグマウス』のかみむら周平さんでした)
安達さんはご自身でも自覚されていますが、童顔な為、花魁役を演じるには外見的には厳しかったと思いますが、台詞回しや佇まいなどでそれを補ってあまりある素晴らしい演技をされていたと思います。
肝心の脱ぎ(絡み)のシーンも必要以上に多くなく効果的に使われていると思いました。
よく必要以上に絡みのシーンが多くストーリーがおざなりになってしまう映画がありますから。
最初の絡みは津田寛治さん演じる吉田屋とのシーンで、このシーンでは吉田屋の変態性や残虐的などの裏の顔(津田寛治さんの演技が凄かったです)を見せるのに必要十分だったと思います。
二つ目の絡みは淵上泰史さん演じる半次郎とのシーンで、これはもうもちろん物語上必要ですし、映画終盤クライマックスにもってくることで、とても大切なシーンにされていることが分かります。
この映画はストーリー的には2つあると思うんですが、
1つは朝霧と半次郎の純愛。
もう1つに半次郎の仇討があり、この仇討部分が物語を面白くしていると思いました。
先に吉田屋との絡みがあったのも頷けて、この仇討に生きてきますし(半次郎への嫉妬だけでなく)、観客に色々と想像させるシーンだったと思います。
物語的には半次郎も朝霧も死んでしまってとても切ないお話でしたが、ラストシーンも凄くよかったです。
ラスト、フラッシュバックして朝霧と半次郎が出会ったシーンに戻りますが、これまでの観客視点から後輩女郎・八津の視点になります。
八津の視点にすることによって、朝霧と半次郎が観客の心の中にいつまでも生き続ける素晴らしいラストシーンだと思いました。
鑑賞データ
テアトル新宿 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
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