マダム・フローレンス! 夢見るふたり 評価と感想/ヘタウマです

マダム・フローレンス! 評価と感想
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好きこそ物の上手なれ ☆4.5点

音痴ながらもオペラ歌手を目指し、ソプラノ歌手として1944年にカーネギー・ホールの舞台にまで立った、実在の人物フローレンス・フォスター・ジェンキンスの実話。監督はスティーヴン・フリアーズ、主演にメリル・ストリープ、ヒュー・グラント

予告編

映画データ

マダム・フローレンス! 夢見るふたり (2016):作品情報|シネマトゥデイ
映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』のあらすじ・キャスト・評価・動画など作品情報:ニューヨーク社交界の顔にしてソプラノ歌手でもあった実在の女性、フローレンス・フォスター・ジェンキンスをモデルにしたドラマ。
http://cinema.pia.co.jp/title/170111/

あらすじ

ニューヨークの社交界のトップ、マダム・フローレンスの尽きない愛と財産は、夫のシンクレアと音楽に捧げられていた。ソプラノ歌手になる夢を追い続けるフローレンスだが、自分の歌唱力に致命的な欠陥があることに気づいていない。愛する妻に夢を見続けさせるため、シンクレアはおひとよしなピアニストのコズメという伴奏者を見つけ、マスコミを買収し、信奉者だけを集めた小さなリサイタルを開催するなど献身的に立ち回っていた。しかしある日、フローレンスは世界的権威あるカーネギーホールで歌うと言い出して―。持病を抱えながらも音楽に生きる彼女の命がけの挑戦に、シンクレアも一緒に夢をみることを決める。さあ、笑いと涙で包まれた奇跡の公演の幕があがる!

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

今年2月に公開された『偉大なるマルグリット』を見に行こう、見に行こうと思ってましたが、シネスイッチとか恵比寿ガーデンの単館系ということもあり時間が合わず見そびれてしまいました。

本作、マダム・フローレンスの予告を見たときは、マルグリットのリメイクかな?と思ったんですが、こちらの方が実在した人物でマルグリットの方がフローレンスをモデルにした創作作品でした。

この作品は音痴の部分も面白いのですが、マダム・フローレンスと夫のシンクレアの関係性がとても面白く物語に厚みを与えています。

音痴の部分は確かに可笑しいのですが、フローレンスはお金持ちで声楽のレッスンも受けているので、いわゆるカラオケでの素人の音痴とは若干違います。
歌ってる曲もオペラなので、全くの素人が歌ってるよりかは上手いですし、もちろん下手なんですが、なぜか聞きたいと思わせる不思議な魅力に溢れていて、今でいうヘタウマなんだと思います。

フローレンスとシンクレアの関係性は不思議で、マネージャー兼ビジネスパートナーとでもいいましょうか。
殆どにおいて一心同体なんですけど、厳密には夫婦ではないという。

シンクレアはフローレンスとは寝室を共にしないですし、フローレンスが寝るのを見届けてから他の女性が待つ家に帰って寝る、という不思議な関係です。

当初は俳優として芽の出なかったシンクレアをフローレンスが財力で囲った側面もあると思うのですが、いつしかシンクレアは俳優の道を諦め、フローランスの裏方に回ることに徹します。
フローレンスとの関わりの中で触れる上流社会は、俳優として成功した先にあるものと同じだったのだと思います。

このシンクレア役にヒュー・グラントを起用したのは見事で、ラブコメ作品に多数出演した彼ならでは男芸者ぶりが光ります。

フローレンスを演じたメリル・ストリープはアカデミー3度受賞のさすがの貫禄で、ホントお金持ちの歌の下手なおばちゃんにしか見えないんですが、歌いだすとこれまたいい表情で、歌は下手だが音楽は心底好きなんだなぁというのが滲み出ていました。

監督のスティーヴン・フリアーズの作品は、今年ツールドフランスでの汚れた英雄ランス・アームストロングを描いた『疑惑のチャンピオン』を見ましたが、本作といい、実在の人物を描いたら安定の上手さだなと思いました。

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前半は笑えて笑えて体温上がりますし、ラストはほろっと感動しますし、おススメの作品です。

鑑賞データ

TOHOシネマズシャンテ シネマイレージ特典 1か月フリーパスポート 0円
2016年 147作品目 累計155500円 1作品単価1058円

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