統合失調症的な? ☆3.5点
予告編
映画データ
あらすじ
映画シリーズ終了から20年、今も世界中で愛されているスーパーヒーロー“バードマン”。
だが、バードマン役でスターになったリーガン(マイケル・キートン)は、その後のヒット作に恵まれず、私生活でも結婚に失敗し、失意の日々を送っていた。
再起を決意したリーガンは、レイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」を自ら脚色し、演出と主演も兼ねてブロードウェイの舞台に立とうとしていた。
ところが、代役として現れた実力派俳優のマイク(エドワード・ノートン)に脅かされ、アシスタントに付けた娘のサム(エマ・ストーン)とは溝が深まるばかり。
しかも決別したはずの“バードマン”が現れ、彼を責め立てる。
果たしてリーガンは、再び成功を手にし、家族との絆を取り戻すことができるのか?(公式サイトhttp://www.foxmovies-jp.com/birdman/movies/より引用)
ネタバレ感想
統合失調症の人の頭の中を見てるようであり、物語が進むにつれて段々と怖くなりました。
『バベル』は見てないのでイニャリトゥ監督作は初めてです。
所謂ブラックコメディで面白かったんですけど、ちょっと難しくて、監督が何を言いたかったのかは分からなかったです。
海に打ち上げられたクラゲ、物凄いスピードで動いてる空に光る隕石のようなものとか。
見た人がそれぞれ思いのままに感じればよい作品なんですかね?
劇中劇でレイモンド・カーヴァーの「愛について語るときに我々の語ること」(読んだことありません)が使われていますが、日本語版は村上春樹さんが訳されているので、純文学というか芥川賞というか哲学的というか、そういう作品なのだと思います。
クローネンバーグが監督した現代アメリカ文学を代表する作家ドン・デリーロの「コズモポリス」とかも難しかったですし。
コーマック・マッカーシー原作「血と暴力の国」をコーエン兄弟が監督した「ノーカントリー」も大筋は犯罪小説だったので分かりやすかったですが、所々哲学的で難解なところがありましたから、今回もそういう種類の映画なのかな?と思います。
ただ話の大筋(かつてヒーロー物で一世を風靡した男が舞台で再起をかける話)はキャッチーだったので、アメコミヒーロー物や映画をよく見ている方にはニヤリとするポイントがたくさんあったと思います。
『バットマン』を演じたマイケル・キートンを主役に据えるあたりは確信犯ですし、その他のキャストもそうですよね。
『インクレディブル・ハルク』を演じたエドワート・ノートンは『ファイト・クラブ』っぽい描写もありました。
エマ・ストーンは『アメイジング・スパイダーマン』のヒロインでした。
『マルホランド・ドライブ』で売れない女優を演じたナオミ・ワッツは、まんま今回も売れない女優役で今回の舞台にかけてる、とか。
劇中ニュースの『アイアンマン』で出てくるロバート・ダウニー・Jrとかは主人公とは逆で、薬物中毒で俳優人生どん底からのアイアンマンで復活とか、そういうのもニヤリとするポイントなのでしょう。
映画は驚愕の映像で、ほぼワンカットで撮られていて(CGを使っているようですが)ゼログラビティの映像革命なんかと同じでどうやって撮ったのだろう?という映像ですが、カメラが固定されず常に動いてる感じでしたので、観るのは少し疲れました。
全体的には面白いとは思いますが、見る人を選ぶ映画というか、見る側の教養も必要な感じがするので万人にはお勧めできませんが、良い映画だと思いました。
鑑賞データ
TOHOシネマズ六本木 TOHOシネマズデイ 1100円
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