オオカミは嘘をつく 評価と感想/なかなか見る機会の無いイスラエル映画

オオカミは嘘をつく 評価と感想
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オオカミは誰だ? ☆3点

予告編

映画データ

http://cinema.pia.co.jp/title/165734/

あらすじ

森の中で起こったある凄惨な少女暴行殺人事件。

刑事ミッキは捜査を進めていくうちに、最重要容疑者を特定する。それは一見温厚に見える宗教学の教師ドロールだった。ミッキは不法な取り調べを行い、その動画を偶然ネット上に流されたため捜査は中止に。しかしドロールの追跡をやめないミッキ。そこへ割り込んできたのは、犠牲者である少女の父親ギディだった。彼は法律で裁かれないドロールを自らの手で裁くために周到な復讐計画を練っていたのだ──。

物語は徐々に取り返しのつかない方向へと進み、3人の男たちは破滅へ向かう。

そして最後の1カット、その衝撃はあなたの想像を必ず裏切るだろう。

(公式サイトより引用)

ネタバレ感想

オオカミは誰だ?

 

 

はい、タランティーノでしたw

…。

これだとレビュー終わっちゃうので少し書こうと思います。

「今年のナンバーワンだ!」 クエンティン・タランティーノ大絶賛!

のキャッチコピーに釣られて観に行った訳ですが…。

冒頭、かくれんぼ遊びをする子供3人、高解像度な感じのカメラをスローで撮って、クレーンやレール撮影でカメラワークがしっかりしていて非常に重厚な雰因気。
少女がかくれんぼしていて連れ去られて行方不明になる廃屋の屋根に浮かび上がる「BIG BAD WOLVES」のタイトルショット。

おー、タランティーノが絶賛するだけあっていい感じですぞ。

この少女は森の中で惨殺死体となって発見されます。
この猟奇殺人事件をどうやって解決していくのだろうかとワクワク。

で、この後は主に3人の登場人物によって話が展開していきます。

まず確たる証拠もないのになぜか容疑者としてマークされている小学校教師。
この容疑者を追い、自白の強要によって逮捕しようとする暴力的な刑事。
惨殺死体で発見され頭部だけが見つからない被害者少女の父親。

あー、この映画、どうやら猟奇殺人事件を解決していくクライムサスペンスではなくて、被害者少女の父親による復讐劇。

復讐劇というか、捜査能力の低い警察に変わって、警察が容疑者だろうとマークしている小学校教師を自分の手で自白させて、不明になっている頭部を取り戻そうとする話でした。

なるほど拷問系ホラーテイストOKです。

被害者少女の父親は警察長官の知り合いで社会的地位も高そうな人。
どうやらこの容疑者は複数の少女惨殺事件に関わっているようで、それに関する捜査資料も持っている様子。
被害少女がされたであろう仕打ちを容疑者にも同じようにして自白を引き出そうという考え。
なるほどイスラエル映画。ハンムラビ法典。

で、拷問描写ですが、直接的には見せないんですが、痛い、痛いですねー。
それでこの辺までは良かったんです。
拷問の途中で母親から電話がかかってくるまでは。

なんか母親から電話がかかってきて拷問を一時中断してから、なぜかホラーコメディの様相を帯びてくるのです。
シリアスな雰囲気が一変して笑っちゃうのです。

途中から被害者少女の父親の父親(つまり祖父)も参加して、この拷問劇に加わり、なんだこの変態家族は『悪魔のいけにえ』の一家かとツッコミたくなります。

なぜか途中で馬に乗った隣人のアラブ人とか出てきてシュールで意味分からないんですが、映画ではアラブ人は危険だと頻繁に言ってて、実際はそのアラブ人は危険でもなくスマホ貸してくれたりする親切な人なんですけど、容疑者が小学校教師で一見すると善良な市民の雰囲気だから、人は見かけじゃないということを言いたかったんですかね?謎です。

結局、小学校教師の容疑者は自白することなく死んでいくのですが、犯人だということは観客には分かるようにして映画は終わります。

ただ劇中では、刑事や被害者少女の父親には結局犯人は分からないままという。
というかイスラエル警察、無能過ぎwとツッコミたくなります。

んー、結局シリアスにしたいのかコメディにしたいのかよく分からない映画でした。
それをひっくるめて混沌(カオス)を描きたかったのか?

所々のシーンでは『レザボア・ドッグス』を思わせるようなシーンもあって、おおっ!となりましたが、いかんせん一貫性がありませんでした。

鑑賞データ

ヒューマントラストシネマ有楽町 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円

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