マーゴット・ロビーのお色気金融講座もあります ☆5点
予告編
映画データ
あらすじ
2005年、へヴィメタルをこよなく愛する金融トレーダーのマイケル(クリスチャン・ベール)は、格付の高い不動産抵当証券の事例を何千も調べていくなかで、返済の見込みの少ない住宅ローンを含む金融商品(サブプライム・ローン)が数年以内に債務不履行に陥る可能性があることに気付く。しかし、その予測はウォール街の銀行家や政府の金融監督機関からまったく相手にされなかった。そんななか、マイケルは“クレジット・デフォルト・スワップ”という金融取引に目をつけ、ウォール街を出し抜こうと画策する。同じころ、マイケルの戦略を察知したウォール街の銀行家ジャレット(ライアン・ゴズリング)は、信用力の低い低所得者に頭金なしで住宅ローンを組ませている大手銀行に不信感を募らせるヘッジファンド・マネージャーのマーク(スティーブ・カレル)を説得し、“クレジット・デフォルト・スワップ”に大金を投じるよう勧める。また、今は一線を退いた伝説の銀行家であるベン(ブラット・ピット)は、この住宅バブルを好機と捉えウォール街で地位を築こうと野心に燃える投資家の二人から相談を持ち掛けられる。ベンは自分のコネクションを使って、彼らのウォール街への挑戦を後押しすることを決意する。三年後、住宅ローンの破綻をきっかけに市場崩壊の兆候が表れ、マイケル、マーク、ジャレット、ベンは、ついに大勝負に出る……。
(MovieWalkerより引用)
ネタバレ感想
第88回(2016年)のアカデミー賞で5部門にノミネートされ脚色賞を受賞した作品です。
逆張りに賭けた男たちのオムニバスドラマでポスターに登場する人物全てが絡む訳ではありません。
具体的にはクリスチャン・ベールが主体となる話とブラット・ピットが主体になる話。
それとスティーブ・カレル&ライアン・ゴズリング連合の3組の話です。
いわずとしれたリーマン・ショックを描いた映画ですから結果は分かっているのですが、これがとても面白かったです。
アメリカがまだ住宅バブルで浮かれている頃に、いち早くモーゲージ債の不安に気付いたこの3組は、新種のウイルスやアメーバを発見したのと似ています。
人々が見落としていた小さな変化に気づき、それを検証していく。
特にスティーブ・カレルのチームが実際に住宅を見て回るシーンは実際の数字と現実の乖離を如実に表していて面白かったです。
個室を与えられてふんぞり返ってるウォール街のデスクでは知ることのない世界。
一方、実際に低所得者に住宅を販売していてサブプライムローンを扱う地元不動産業者は、ウォーレン・バフェットを知ってるかと尋ねられて誰それ?状態。
扱っている業者でさえ自分たちが、いったい何を売っているのか分かってないことを端的に示す演出は素晴らしいの一言でした。
登場人物が観客に語りかける演出方法(第四の壁の突破)は好みがあるでしょうが、自分は気にならなかったです。
経済用語解説のために本編と全く関係ない人(マーゴット・ロビー)が出てくるのも画面を飽きさせずでよかったです。
例えはあんまり上手く無かったと思いますけど。
この映画はとても面白いのですが、一方でとても切なくなるのは、彼らが世界経済が破綻する方に賭けたからです。
勝負には勝つんですが空虚さは残ります。
スティーブ・カレルのチームに至っては戦っていた相手が親会社という虚しさでした。
邦題には「華麗なる大逆転」とありますが、決してお金が増えてバンザイな映画では無くて、人々が翻弄されるお金とは、いったい何なのかということを考えさせられる映画でした。
鑑賞データ
TOHOシネマズ日劇 TOHOシネマズデイ 1100円
2016年 25作品目 累計30500円 1作品単価1220円
コメント
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