あれ??チキショー!おもしろい!! ☆4点
予告編
映画データ
あらすじ
1995年8月8日、全長34メートル・総重量25トンを誇る自衛隊用超巨大ヘリ『ビッグB』が遠隔操縦によりハイジャックされ、原子力発電所『新陽』の上空で静止。『天空の蜂』を名乗る犯人は全ての原発の破棄を要求、さもなくば爆発物を大量に積んだヘリを『新陽』に墜落させると訴える。ヘリの燃料が尽きるまではわずか8時間。『ビッグB』の機内には子供が取り残されており、その父で『ビッグB』開発に携わったヘリ設計士・湯原(江口洋介)と原子力発電所設計士・三島(本木雅弘)は子供の救出と日本が消滅しかねないこの恐るべき危機を打開するために奔走する。しかし政府は原発破棄に難色を示していた。タイムリミットが迫る中、見えざる敵との攻防が始まる――。
(MovieWalkerより引用)
ネタバレ感想
映画館で予告編を観たときは、邦画には似つかわしくない大作ですし、堤幸彦監督だし、スルーでいいかなぁと思っていたのですが、結構評判がいいので観て参りました。
序盤から、嫌味ったらしい江口洋介さんの奥さんとか、子供が簡単にヘリに乗り込んじゃうところとか、無線で操縦席真ん中辺りで赤く光ってる所の下のボタンを押してください(無線でやりとりしましょう)って言っても出来なかった子供が、ヘリ後部のクレーンの操縦は出来ちゃうところとか、ダイハードのジョン・マクレーン並みに引っかかったワイヤー外すところとか、ヘリから子供落ちたのを空中で助けるとか、そもそも自衛隊最新鋭のヘリを一人のテロリストで乗っ取れるのかとか、その他色々諸々、ツッコミどころ満載なんですけれども、それも全部ひっくるめても面白いと思える中々不思議な映画でした。
上映時間139分も長く感じませんでしたもんね。
原発・反原発もありますが、その辺どちらも描いてますし、いじめについてもいじめてる側がいじめられる側になっちゃうところとかも描いてますし、物事を全方位的に描いていてニュートラルなので、誰が見ても、「お前は加害者になっていないのか」を突きつけられる映画になっています。
でもそれが凄い重いかっていうと、しっかりエンタメの方にも寄っているので、見れちゃうんですよね。
堤監督はトリックとかスペックのテレビシリーズの映画版をやると、ふざけすぎる傾向があって、やり過ぎて映画版を面白くなくさせてたんですが、今回はふざけたところはなるべく封印したのがよかったです。
あと今年公開された『イニシエーション・ラブ』でも感じましたが、堤監督、80年代後半~90年代半ばを撮らせると上手いですね。
あの頃の時代感が上手く撮れてる気がします。
あと撮り方もスローモーション多用して、ちょっと浪花節というか、クサいっていうかベタな感じなんですけど、それもあの時代感に合ってた気がします。
堤監督、イニシエーションラブを撮ったのが上手い方に作用してるんじゃないかと思います。
あの映画、原作のどんでん返しがキモですが、本作も結末にどんでん返しがあってそこに向かって収束していくので、色々詰め込んでもブレないんですよね。
両作とも脚本がよかったのかもしれません。
綾野剛さんのトラックがっしゃーんもありますし、手錠外すのに指切るとか軽いグロ描写もあったりでとにかく映画的にもテンコ盛りです。
あ、あと、震災直後はわりとあった震災映画ですが、ここ1~2年なかった気がしますが、最後に原作には無いであろうシーンを追加したことによって、しっかり震災映画にもなっていましたね。
あの子供が大人になって自衛隊のヘリ操縦士になってるのはいいアイデアだったと思います。
これやっぱりDVDで観るより大きなスクリーンで見た方が迫力もあると思うので映画館で見るのがお勧めです。
鑑賞データ
丸の内ピカデリー ファーストデイ 1100円
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