ふつうに面白かったです ☆3点
予告編
映画データ
あらすじ
スティーヴン・キングの小説を原作にスタンリー・キューブリックが1980年に発表した「シャイニング」は、前作「バリー・リンドン」で興行的に失敗した彼がホラーという商業的なジャンルに初めて挑戦した作品で、多くのアーティストに影響を与えた名作として語り継がれている。本作は、数々の謎が散りばめられた「シャイニング」を多角的に解明、筋金入りのキューブリック研究家たちのコメンタリーとともに進行していく。ビル・ブレイクモア(ジャーナリスト)、ジェフリー・コックス(歴史学者)、ジュリ・カーンズ(作家)、ジョン・フェル・ライアン(ミュージシャン)、ジェイ・ウェイドナー(作家、映画製作者、神秘学者)といった5人の識者が斬新かつユーモラスな極私的「シャイニング」論を披露。ある識者は画面に何気なく映り込んだように見える“ふくらし粉の缶詰”や“スキーヤーのポスター”に注目し、アメリカ先住民やギリシャ神話にまつわるメタファーを検証する。また、映画の舞台となったオーバールック・ホテルの見取り図、ダニー少年が三輪車で走り回ったルート図を作成し、そこから判明した様々な矛盾や意外な観点を提示。さらには、実はキューブリックはこのホラー映画を利用してナチによるホロコーストの蛮行を描こうとしたのではないか、アポロ計画におけるNASAの壮大な陰謀を暴露しようとしたのではないか、という衝撃的な仮説までも飛び出す。そして、もしも「シャイニング」の通常再生と逆再生のふたつの映像をオーバーラップさせて鑑賞したらどうなるか、という奇想天外な解析も行われている。
(MovieWalkerより引用)
ネタバレ感想
・シャイニングに関する9つの考察
BBC制作のドキュメント番組かなんかを、普通にNHKでやってくれたら一番良いのでしょうけれども、なかなか丁寧に作られてるドキュメンタリーでした。
上映時間も103分でしたが、長く感じることはなく、むしろもっと観たいくらいでした。
生涯でベスト1の映画を選ぶとすればどれか?と聞かれれば、間違いなく『2001年宇宙の旅』を挙げますが、『2001年~』は映画という範疇を越えちゃってるかな?とも個人的には思っています。
なので、キューブリックはもちろん好きな監督で『スパルタカス』以降、『バリー・リンドン』を除けば全て観てますが(あ、あと、『現金に体を張れ』も観たかな)、この映画に出てくる人たちのように、細かいところまでマニアックに見ている訳ではないので目から鱗の考察でした。
もちろんオカルトやこじつけの妄想と言われてしまえばそれまでですが、個人的には月面着陸の衛星中継がセットだったという説(『カプリコン1』でお馴染み)は、米ソ冷戦時代の宇宙開発競争の産物として、その後の宇宙開発の進み具合(その後、月には行ってない)から見ても突飛なことでは無いと思いますし、仮に月面に行ったとしてもそれを衛星中継で見せるというのはまた別の話なので、今見ても『ゼロ・グラビティ』と遜色ない『2001年~』を作ったキューブリックならありえない話じゃないなと思いましたし、そうだったら本当に面白いと思いました。
また、『シャイニング』はホロコーストを描いた映画だとする考察も、ネイティブアメリカンを浸食した白人、というテーマとそう変わらないので有りだと思いましたし。
ヤフーレビューを見てると、キングの原作がうんぬんと仰ってる方もいますが、映画になった『シャイニング』とキングの小説としての「シャイニング」は骨格だけ借りた、もう全くの別物だと思います。
うまく言えないですが、キングが個々の内側から見ているとすれば、キューブリックはもっと大局(大所高所)から見ているというか。
『シャイニング』に関する考察という点では、やっぱりその文化的背景や宗教的価値観から欧米の方に利があると思われますし、日本で通常見ているのが119分版(国際版)で、アメリカ公開版の143分版より説明的な部分が、少なくなっている点もあるかと思います。
ただ何点か、印などが無くて分かり辛い点(サブリミナルの件で、1カットだけ雲が顔のように見えるや、握手のシーンで二段トレー?かなんかが一瞬だけ突起したペニスになるなど)があったので、映画館で見るよりはDVDで本作をじっくり観て、そして更に『シャイニング』をじっくり観た方が良いのかな?という気はしました。
まあ、基本的にはファンの与太話なので、ああでもない、こうでもないって言ってるのが楽しいってやつです。
鑑賞データ
シネマカリテ 水曜サービスデー 1000円
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