星2点ですが、東の存在で+1点 ☆3点
予告編
映画データ
あらすじ
妻子の死の謎を追う公安警察官 倉木(西島秀俊)は、大杉(香川照之)、明星(真木よう子)とともに一連の『MOZU事件』で警察内部に巣食う闇を白日のもとに晒した。しかしそれは、恐るべき謀略の氷山の一角に過ぎなかったのだ。
それから…。
高層ビル占拠爆破とペナム大使館襲撃、二つの大規模テロが同時発生した。これらの事件は犯罪プランナー高柳(伊勢谷友介)と実行部隊を率いる殺し屋・権藤(松坂桃李)を中心とするテログループによる犯行であった。彼らは、日本犯罪史の重大事件を影で操ってきた存在「ダルマ」(ビートたけし)の名のもとに、ある犯罪計画を極秘裏に進行していたのだ。灼熱の地・ペナム共和国を舞台に、事件の真相を追う倉木達と、最後の敵・ダルマとの死闘がついに幕を開ける!(東宝公式サイトより引用)
ネタバレ感想
TBS版10話、WOWOW版5話をリアルタイムで見ていたクチで、映画を楽しみにしていました。
原作は未読ですが、元々の原作が古い(1986年)ですよね。
映画公開にあわせたスピンオフの『大杉探偵事務所』を見て、なんとなく嫌な予感がしましたが、予感通り映画も残念なものになっていました。
まず映画を見るにあたって、前提条件として、ドラマ版を見てない人には楽しめないと思います。
それとドラマ版のときも感じてたのですが、TBS版の10話に比べるとWOWOW版5話は勢いも失速した感じで物語としては尻つぼみになっていった気がします。
それもひとえにダルマの存在を引っ張り過ぎたせいで、ダルマの存在が大きくなり過ぎてしまい、物語の伏線が回収できなくなってしまったところにあると思います。(この辺は同じTBSのドラマのSPECに共通するものがあると思います)
それで映画版ではその伏線を回収するべく、ビートたけしさんという大物を起用してダルマを登場させる訳ですが、はたしてその実態は、ダルマというのは吉田こまお(よしだこまお)なる人物で、物語中では「吉田こまお」という名前を聞けば誰もが日本の裏社会で暗躍したフィクサーであるということを知っているという設定でした。
で、この吉田こまおなる人物は完全に「児玉誉士夫」を連想させるのですが、役名も「こだまよしお」のアナグラムというかなり雑なものでした。
脚本もかなり雑で、見てて???となるところも多いです。
日本であれだけ頑張って保護していたテロリストが狙っていた少女を、あっさりペナム(架空の国)のチンピラみたいのに奪われてたり、またその描写が無いので、物語として唐突過ぎたり、そもそも、テロリストが少女を奪取することが目的ならば、わざわざ日本で高層ビルのオフィスを襲撃する(物語的には捜査の目を注力させるためとしていますが)必要もない訳で、この辺は映画的派手さのための舞台設定で、脚本の辻褄が合わなくなるだけの害悪でしかありませんでした。
それでまぁ脚本は酷かったんですけど、不思議と鑑賞後感(読後感みたいなの)はよくて、これはひとえに東和夫役を演じた長谷川博己さんの演技によるものが大きかったなぁと思いました。
長谷川さんはシリーズを通じてホント東というキャラクターを育てたと思います。
ダルマという存在を完全に食っちゃってましたね。
まあ映画のテーマもドラマの終盤で出てきた「オメラス」(オメラスから歩み去る人々)と同じなので、オメラスのことを語らせている東が物語上一番重要な人物なので、当然といえば当然なんですが。
この一連のMOZUの映像作品の言わんとしているテーマは凄くいいと思うんですよね(「オメラスから歩み去る人々」で検索すれば色々出てきます)
ただ、初めに大風呂敷を広げ過ぎて物語が回収できなくなってるところが残念で、そこをクリアできたら完璧な作品だったんですけど。
なので続ければ続けるだけ穴が出るので、正直、ドラマ版だけでよかったかな?という気がしました。
鑑賞データ
TOHOシネマズ新宿 シネマイレージ会員6P無料鑑賞 0円
コメント