わたしはロランス 評価と感想/パワフルな映像美と音楽に心揺さぶられる

わたしはロランス 評価と感想
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パワフルな映像美と音楽に心揺さぶられる ☆4点

予告編

映画データ

http://cinema.pia.co.jp/title/161267/

あらすじ

モントリオール在住の小説家で、国語教師のロランスは、美しく情熱的な女性フレッドと恋をしていた。

30歳の誕生日、ロランスはフレッドにある秘密を打ち明ける。
「僕は女になりたい。この体は間違えて生まれてきてしまったんだ」。
それを聞いたフレッドはロランスを激しく非難する。
2人がこれまでに築いてきたもの、フレッドが愛したものが否定されたように思えたのだ。

しかし、ロランスを失うことを恐れたフレッドは、ロランスの最大の理解者、支持者として、一緒に生きていくことを決意する。

メイクを教え、女性の服装で生活すべきだと促すも、モントリオールの田舎町で生活するのは困難がつきまとう。
あらゆる反対を押し切り、自分たちの迷いさえもふり切って、周囲の偏見や社会の拒否反応の中で、ふたりはお互いにとっての”スペシャル”であり続けることができるのか…?

公式サイトより引用)

ネタバレ感想

若干24歳の天才、グザヴィエ・ドラン監督の作品初めて観ました。

性同一性障害を持つカップルの10年に渡る愛と葛藤の物語。
テーマ的にもう少しメッセージ性が強いかと思いましたが、観ているこちら側が慣れてきたのもあるでしょうが、男女の普遍的な愛の物語になっていたと思います。

というのも、ロランスを助けてくれる先輩達の館でなんとなく『メゾン・ド・ヒミコ』を思い浮かべてみたり、未見ですがゲイのカップルを描いた映画『ハッシュ!』をイメージしてみたりと、2000年以降のトランスジェンダー的な物を取り上げた映画を目にしてるせいか、こういうテーマになんとなく慣れてきたのだと思いました。

なので映画はまだ強い偏見があったであろう、1989年からの10年間の物語となっていて今を描いている訳ではありません。

映画を観てて共感したのは、やっぱり愛しあっているからといって必ずしもうまくいく訳ではなく、愛しすぎるとお互いに相手を傷つけてしまうよなぁ、という事です。

ロランスもフレッドも一度別れて、ロランスは理解のあるパートナーと暮らして生活も安定しますし作家としての名誉も得て社会的に成功してますし、フレッドも結婚し子供も出来ていい家に住んで仕事も順調です。

ロランスがフレッドに本を贈ることで焼けぼっくいに火がつきますがそれも一瞬で、あとはお互いに傷つけるだけですし、二人とも大切なパートナーを失ってしまいます。
モントリオールに戻ってまた再会しますが、このときのロランスはもう昔の二人みたいになれないのを悟っている感じで切なくなりました。
境界をどんどん飛び越えていってるロランスと変われないフレッドみたいな感じで。

正直、途中はやや冗長で168分は長いと思いましたが、やっぱりラストが効いてます。
あのラストを観るために観ていてよかったと思いました。
ラストの音楽とセリフで涙腺崩壊しそうになりました。

途中冗長と書きましたが、ストーリー的に喧嘩が繰り返されるので観ているこちらが辛かったせいもあると思います。
ですがその間も映像と音楽は圧倒的に美しく、凄いな綺麗だなと思いました(お金もかかってそうだなとも思いました)

でも本当にいいラストですし、カップルで観にいってそのあと長渕剛さんの「しあわせになろうよ」を聞くといいんじゃないかなぁ、なんて思いました。

鑑賞データ

渋谷アップリンク 会員料金 1000円

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