いやー、おもしろかった!! ☆5点
2004年に発行された乾くるみの同名恋愛小説の映画化で監督は堤幸彦
side-Aとside-Bの2編からなる物語に巧妙なトリックが仕掛けられていてミステリーとしての側面もある作品。
主演は松田翔太と前田敦子、共演に木村文乃、三浦貴大
予告編
映画データ
あらすじ
バブル最盛期を迎えた1980年代後半の静岡。奥手な大学生・鈴木(松田翔太)は、友人に誘われ合コンに参加することになる。気乗りではなかったが、そこで歯科助手のマユ(前田敦子)と出会い、鈴木はなんとか彼女に釣り合う男性になろうとヘアスタイルやファッションを変えていく。ぎこちないながら距離を縮める二人。就職した鈴木は仕事の都合で上京することになり、静岡に残ったマユと遠距離恋愛に。鈴木は週末に東京と静岡を往復していたが、洗練された同僚の美弥子(木村文乃)の出現により鈴木の心は揺らいでいく。
(Movie Walkerより引用)
ネタバレ感想
原作小説未読、あらすじネタバレサイトは以前に見ていて、結果を知っていての鑑賞です。
いや、これ、結果が分かっていても楽しめましたよ。
自分がオジサンだからかも知れませんが、80年代あるある満載でひとりニヤニヤしていました。
逆にこれ、若い人が見ても面白いのかな?と思いましたが、そこそこヒットしてるみたいなんでよかったです。80年代的な部分よりもミステリーの部分でウケてるのかな。
マユが二股かけてると分かって見てるので、sideAのタックンとの恋愛のあのキラキラ感も、あーバブルの頃は「アッシー、メッシー、ミツグくん」とかいたよなーとか思い出してニヤニヤして見てられましたし、中絶したのに便秘とか平気でウソつく前田あっちゃん演じるマユのビッチ感も楽しめました。
総じてsideAはおデブのタックン(演じてるの誰ですか?公式サイト見てもクレジットされてなくて亜蘭澄史(アラン・スミシー)って架空の名前)のコミカルな演技が凄くよくて面白かったですし、絶対モテなさそうなタックンとマユの恋愛は「101回目のプロポーズ」的な面白さもあったりしてよかったです。
sideBもおデブのタックンが痩せてからの半年後とは思って見てないので、表示される日付をsideAの日付と比べたりしながら脳内補完して、ちょっとクリストファー・ノーランの『メメント』的な楽しみ方も出来ましたし大満足でございます。
原作のミステリー部分(といっても人が死ぬ訳ではありませんし、恋愛小説と思って読んでると騙される)のアイデアは、これまでの映画にはないオリジナリティがありますし、近年の邦画の中でも面白さは上位にランクされるのではないでしょうか?
それと、堤幸彦監督演出ですね。
80年代ディテールが細かい。
エンドクレジットで80年代図鑑って出てきますが、それ以外にも80年代を知ってると思わずニヤリとしてしまうシーンがいくつか。
例えば、便秘(中絶)後のデートでピザを食べるシーンはシェーキーズとか、東京に転勤したタックンが寮に電話なくて公衆電話から電話かけるシーンで、電話ボックスにピンクチラシがベタベタ貼ってあったりとか、銀座に遊びに出かけるシーンで指輪を買う場所がジュエリーツツミとか、この辺みんな80年代あるあるです。
それ以外にも出てくる車とかも芸が細かいです。
音楽もよかったですね。もう80年代の鉄板音楽です。
デブタックンとマユの電話シーンでは日テレのザ・トップテンを映したりそこにC-C-Bが出てたりとやりたい放題。久しぶりに堤演出が嵌った感じがします。
この映画若い人よりもオッサン世代(40代)の方が嵌ると思うので(『ALWAYS 三丁目の夕日』に年配の方がいったように)是非観に行ってほしいです。激しくおススメします。
最後にこの映画の格言をひとつ
「デブは痩せても松田翔太にはならない」
鑑賞データ
ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
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