蔵様がカッコよすぎます ☆4点
予告編
映画データ
黒川博行さん原作小説の映画化で小林聖太郎監督作品です。
原作小説は未読です。
黒川さん原作の作品は昨年の東宝作品『後妻業の女』を観ました。
また、黒川さん原作で小林監督作品はWOWOWでの連続ドラマ『煙霞-Gold Rush-』を観ました。
この『破門(疫病神シリーズ)』はBSスカパー!で2015年に連続ドラマ化されていて、そちらは未見なんですが、今作では佐々木蔵之介さん演じた桑原保彦を北村一輝さんが、横山裕さん演じた二宮啓之を濱田岳さんが演じられています。
また今作では橋爪功さんが演じられた映画プロデューサー小清水役を、ドラマ版では木下ほうかさんが演じられていて、木下さんはドラマ版と映画版(滝沢組初見役)で違う役を演じられています。
本作は映画館の予告編を見て知ったのですが、映画製作の裏でよく聞く二大トラブル、脚本問題と製作資金詐欺(或いは持ち逃げ)の資金詐欺の方かな?と思ったんですが、厳密にはちょっと違いました。
橋爪功さん演じる映画プロデューサーの小清水は、ヤクザのフロント企業の金融会社から1億5千万の融資を受けてたんですけど、返済のメドが立たないってことで、ヤクザに画を描かされるんですね。
具体的には1億5千万の借金を10分割して1500万の約束手形にして、映画への出資を契約をした人たちに払わせるっていう魂胆です。
普通はまあ、素人が引っかかるんですけど、本作では同じ上部組織(亥誠会)の下にいる滝沢組(宇崎竜童)が描いた画に、二蝶会の若頭・嶋田(國村隼)が3千万円と、桑原(佐々木蔵之介)が150万円、引っかかったのでややこしくなります。
映画を見る限りでは、小清水も元々は引っ掛ける気が無くて、開店休業中の建設コンサルタントの二宮(横山裕)に、新作映画の題材である「サバキ」について取材しようと接触してくるんですね。
「サバキ」というのは、どうやら裏用語といいますかヤクザ用語といいますか、建設工事にまつわるトラブル(建設反対とか妨害、強請、たかり等)の暴力団対策らしく、二宮はその口利きや斡旋で生計を立ててるんですが、暴対法が施行されて以降、収入は減る一方で、映画では半年で55万とか言ってたので、普通に働いた方がいいじゃん(笑)と思いました。
それで、二宮はカタギなんですが、亡くなったお父さんがヤクザで嶋田と兄弟の盃を交わしてたので色々と目をかけてくれるんですね。
映画では嶋田が「はり重」の牛肉を持ってきてくれて、すき焼きを食べるシーンがありました。
それで、嶋田は先細りする建設コンサルタントの仕事を心配して、映画出資の話を聞いて、カタギの仕事だし、出資者(プロデューサー)として二宮の名前も載るし、これで二宮の父親の恩に報いることができるって出資するわけです。
桑原は下心と欲をかいて出資するんで自業自得なんですが、そんな桑原と二宮が逃げた小清水を追いかける珍騒動を描いてます。
映画紹介の記事を見るとハードボイルドって書いてありますけど、大阪が舞台で水と油のような性格の二宮と桑原の会話が結構笑えるんでコメディだと思います。
それにしても、二宮と桑原が逃げた小清水を追って、大阪からマカオ、愛媛の今治と舞台を移すんですが、小清水役の橋爪功さんのやられっぷりのヒドいこと(笑)
特にマカオではボールペンを突き立てられてヒドい目に遭うんですが、玲美(橋本マナミ)の部屋に居た滝沢組の組員(勝矢)への菜箸の使い方と同様に間違ってます(笑)
(菜箸の使い方を間違っているといえば『アウトレイジ』での中華料理店のシーンを思い出すんですが、アウトレイジでは國村隼さんがお前の舌は何枚あるんだ?ってヒドい目に遭ってましたw)
今作は『煙霞』同様、オール関西出身のキャスト(橋本マナミさん以外は)で占められていて、北川景子(神戸出身)さんが全編大阪弁というのも貴重だと思います(宇崎竜童さんは横浜横須賀のイメージだったので京都出身とは意外でした)。
黒川作品は『煙霞』『後妻業の女』と観てるので、テイストがだいぶ似てるな(大阪が舞台で、時々、今治に話が飛ぶ)と思って、最初に『煙霞』を観たときほどの感動は無いんですが、裏社会を描いているので安定して面白いです。
正直、テレビドラマで見れれば最高なんですが、昔なら作れたと思うんですけど、規制が厳しくなった今、地上波で作るのは難しいのかなと思います。
なので、BSスカパー!やWOWOWの有料チャンネルや、映画の題材に使われるんだろうなと思います。
佐々木蔵之介さんはカッコよかったですねー。
今までに観たことが無いくらい目ン玉ひん剥いて凄い演技してました。
横山裕さんは実家の母(キムラ緑子)にお金を借りに行くシーンがよかったです。
間の取り方とか最高で、本当の母と子に見えましたね。
3Dプリンターの台詞も笑ってしまいました。
ストーリー的には☆3.5なんですけど役者陣の演技がよかったので☆4点です。
鑑賞データ
丸の内ピカデリー 次回割引クーポン 1200円
2017年 11作品目 累計8300円 1作品単価755円
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