何気にじわじわ面白い ☆5点
予告編
映画データ
あらすじ
1996年に起きた実話を基にした物語は、ニュージーランドで登山ガイド会社を営むロブ・ホール(ジェイソン・クラーク)の率いる登頂ツアーがネパールに到着したところから始まる。
エベレストのベースキャンプ(標高5,364メートル)で約1カ月間入念な準備を整えた後、頂上を目指す冒険に出発した一行は、別のツアーと協力体制を組みながら順調に第4キャンプ(標高7,951メートル)まで登っていく。
しかし、ついにやって来た頂上アタックの日、固定ロープの不備や参加者の体調不良などでスケジュールが狂い、下山が大幅に遅れてしまう。
さらに未曾有の嵐の接近で急激に天候が悪化。
<デス・ゾーン>で散り散りになった登山家たちは、ブリザードと酸欠との過酷を極めた闘いの中で個々の生き残りの能力を試されることになる。
果たして全員が無事にキャンプまでたどり着けるだろうか?(公式サイトhttp://everestmovie.jp/より引用)
ネタバレ感想
今冬は『エベレスト3D』と『ザ・ウォーク』で足をすくませたいと思っていまして、まずはエベレスト3Dを鑑賞しました。
ホントはIMAX3Dで見たかったのですが、ちょうどよい時間がなくて通常3Dでの鑑賞です。
映画を見るにあたっての予備知識はなしで、3Dと謳ってるくらいだからエベレストの雄大な自然がふんだんに撮影されてるのだろう、くらいの知識です。
期待に違わず序盤から3Dの空撮映像は圧巻で、ベースキャンプに向かうまでの吊り橋でもう無理(笑)と思いました。
山に入ってからも氷のクレパスの間にはしごかけて渡るとか、もう怖すぎて自分だったら一歩も動けないなとか考えて見てました。
予備知識無しで観ましたが、冒頭からの説明で実話であることや、エベレストも冒険登山家が登る特別な山でなくなってきていて商業登山が盛んであることなどを知りました。
映画観ててすごいと思ったのは、隊長やガイドなどはヘロヘロになっている顧客の面倒をみながら登っていて、特にジェイク・ギレンホールが演じたスコット・フィッシャーなんかはテントの間を1日で往復していて、「何こいつやベー」と思って観てました。
ヒラリーステップ(山頂目前の難所)の渋滞を抜けて山頂に登頂する描写はすごくあっさりしていて拍子抜けしたのですが、そのあとに起こる悲劇の伏線でした。
AC隊の何人かが登頂に成功したあと、ヒラリーステップを抜けてかなり遅れたダグ(ジョン・ホークス)が隊長に頂上に行きたいと直訴しますが、ここからはもう嫌な予感しかしませんでした。
公募登山なので顧客の登頂を成功させることが第一の使命ですが、それと同時に顧客の安全も考えねばならない訳で、この複雑な命題をどうするか。
隊長が下した答えはダグの希望を聞き入れ、頂上に行くことでした。
もう素人目に見ても、これ登頂しても下りられないよなというくらいの衰弱ぶりで無謀に思うのですが、いざというときの為のサポート体制もあるので隊長はそれにかけたのでしょう。
しかし残念ながら今回は色々な不備が重なりそのサポート体制が機能しませんでした。
この映画を観てて思ったのは「自己責任」という言葉で、顧客の中にはかなりわがままをいう者もいて、自分の思いや我を通して無理をすることが、どれだけ他人の命を脅かすことに繋がるのか考えていないよなぁと思いました。
これを見て、なるほど、野口健さんがエベレストにはゴミが溢れているのを嘆いているのが分かりました。
いわばエゴの塊(ゴミ)ですね。
この映画、何気に出演者も豪華で、キーラ・ナイトレイとかサム・ワーシントンとかジェイク・ギレンホールとかジョシュ・ブローリンとか。
ジョシュ・ブローリンなんか『ノーカントリー』であの殺人鬼シガーとやりあった男ですからね。その男でも登頂できなかった(役柄ですけど)んですから、エベレスト恐るべしでした。
映画見てるとホント絶望しかなかったのですが、結構面白くて、家に帰ってきてからこの事故のこととか調べたら当事者による本なども出版されてるみたいですごく興味がわきました。
このときに助かった人もその後別の山で亡くなってたり、調べれば調べるほど登山家ってほとんど山で死んでるんじゃないかと思いました。
死にそうになって生還しても、また山を目指すその思いってなんだろうとか色々考えちゃいましたね。
鑑賞データ
TOHOシネマズ六本木 シネマイレージデイ 1400円+3D料金300円
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