キモオタどものアイドルは今日もイケメンに抱かれます ☆2点
予告編
映画データ
『SING』とか『チアダン』、『コクソン』とか『3月のライオン』と観たいのがいっぱいあるんですけど、ヤフー映画の公開カレンダーで何か無いかなぁと探していたところ、本作を発見。
解説を読むとグラビアアイドルの杉原杏璃さんご自身の原作で主演ってことで、多才な感じが気になりまして、上映も東京・大阪・広島で各1館。東京・大阪では1日1回上映と観るのにハードル高そうだったので、思い立ったが吉日と思い観て参りました。特に杉原杏璃さんのファンというわけではありません。
原作はもちろん未読で、小説を書いてたことも知らなかったんですが、グラビアアイドル界の裏側を描いた半自伝的小説になっているようです。
あらすじ
碧い海のようなアイドルになりたい
そう心に刻みながらグラビアアイドルとして成功を掴んだアン。スポットライトを浴び世の男性の注目を集めるも、そんなある日、同郷の友人から電話をもらうが「アンってそんな声じゃったっけ?」という言葉に言い知れぬ衝撃を受ける。
「かつての自分の声はどんな声だったのか?」
と自問自答したとき、「どうしたらファンの人たちに喜んでもらえるのか」と考えての行動が偽りの自分を演じているのではないかという不安に襲われるようになる。年齢も30歳を過ぎ、嘘のない生き方、そして本当の「自分の声」を取り戻すため、グラビアアイドルとしての活動をあと1年として、一所懸命走り抜くことを決意する。男たちと関係を重ねていきながらもトップアイドルとして駆け抜けるアンは、この世界に入ったことで失った「声」を取り戻すことができるのだろうか。
小説の方のあらすじは
グラビアアイドルとして不動の地位を確立した主人公・アンリ。しかし、ここまで来るのには様々なことがあった。単身、広島から上京するときに後ろ髪をひかれた地元の彼氏。カメラマン志望の男性との曖昧な関係。なかなか仕事がないときに、女の悦びを教わった6つ下の男の子。アンリの体だけを目的に近づいてきたエリートサラリーマン。「恋と仕事」「恋愛とSEX」。運命に翻弄され、様々な男たちと出会いながら成長していく一人の女の子の物語。セクシー小説に連動した完全撮り下ろしグラビアも掲載。【「BOOK」データベースの商品解説】
という感じです。
映画と小説で違うのは主人公の名前がアンになっているのと、広島時代の地元の彼氏とカメラマン志望の男性とのエピソードは描かれていませんでした。
ネタバレ感想
映画は冒頭、この「女の悦びを教わった6つ下の男の子」ツバサ(鈴木勤)とのベッドシーンから始まります。
『ナインハーフ』や『フィフティ・シェイズ・オブ・グレイ』みたいな目隠しして氷を使ったプレイですが、おっぱいは出ません。
なので、不自然だから必要のないシーンにも思えますが、なんで入れたんだろ?
サービスシーンのような気もしますが、ファンにしたら、ほぼ自伝的な映画で、応援しているアイドルが他の男に抱かれるっていうのをどんな顔して見ればいいんだろ?と思いまして、誰得なんだろ?と思いました。
物語は30歳を過ぎた主人公が、当初の目標であった、故郷でよく見ていて癒された碧い海のようなアイドルになりたい、という思いが実現できたかどうかと自問自答していて、1年後のグラドル卒業を決意し、それまでにその目標を叶えるために走り出すのを描くのと同時に、25歳のデビューからを振り返りながら話が進みます。
デビュー時は出版社に売り込みにいくも、若くて可愛くておっぱいの大きい子はいくらでもいるし25歳じゃね、と言われます。
何か売りはあるの?と聞かれても何も答えられません。マネージャー(甲本雅裕)のアシストも無く拗ねますが、とりあえず頑張ってブログだけでも毎日更新しようと、眠くても疲れてても毎日更新します。
ファンに喜ばれるよう自撮りをいっぱい上げたり、キラキラ感を出すのに軽く話を盛ったりちょっと無理をして、軽く嘘をついている自分に自己嫌悪に陥ったりします。
また撮影現場ではグラドルいじめにあったりして気分が落ち込みます。
そんなときはヘアメイクの友人ユウコ(肘井美佳)を呼び出してバーでグチを聞いてもらったり、仲のいい夫婦がやってる商店街の総菜屋(菅原大吉)に行って、「おっぱい何グラム?」とか聞かれて軽くセクハラされるのと引き換えに総菜を安くもらったりして、心の安定を図ります。
ブログを頑張って更新してたら50万アクセスとかになり、マネージャーに報告したら、それは売りになるってことで営業に回ったら、雑誌の巻頭グラビアなどがガンガン決まり、一躍トップグラドルになります。
それから、サイン会あるあるとかも描かれてて、何回も来てくれてるファンで顔は憶えてるのにサイン書くときに名前が出て(覚えてない)こなくて拗ねちゃったり、結婚指輪と婚姻届を持ってくるファンとかいて、あるあるでした。
それからPPAPのピコ太郎こと古坂大魔王さん演じるテレビ局のプロデューサーに枕営業を持ち掛けられますが、この手が悪いのね、とか言ってうまくかわしたりします。
そんな感じのトップグラドル生活でしたが、地元の友人からかかってきた電話で、あんたそんな声だったっけ?と言われてハッとして、当初の目標を叶えるために1年後のグラドル卒業を決意します。
付き合っていたツバサとも連絡を取らなくなり(男断ち)、グラドル業に邁進するも、やっぱり落ち込んだりすることが多くて、気晴らしに飲みに行ったバーでエリート商社マンのカズマ(鈴木貴之)と知り合います。
カズマの的確なアドバイスに心酔するも、結局体目当てだったことが分かり別れます。
再びグラドル業に邁進しますが、ふとしたときにツバサを思い出し心が揺れます。
地元の結婚した友人たちの子供の写真などを見ると、グラドルを卒業したあとにツバサとの結婚を思い浮かべたりしますが、ユウコからはあの男とは止めといた方がいいと忠告されます。
目標を叶えるため、グラドル業に邁進するため、ツバサへの思いを断ちます。
気持ちに区切りをつけるため、最後に1回だけツバサと会い寝ます。最後と聞いて泣くツバサでした。
そんなツバサの思いも胸に、グラドル卒業の日の舞台、グラドルクイーンコンテストで有終の美を飾ってこの映画は終わります。
うーん、やっぱりノレなかったのは劇中でマネージャーもツッコんでましたが、碧い海のようなアイドルになりたい、っていう目標が全然分からなかったことです。
目標が具体的でないので、観客としてはどこにゴールがあるのか分からないですし、本当の自分を取り戻したいのなら芸能人辞めればいいじゃんと思ってしまって、結局、何がしたいか分からないんですよね。
まあ、そういうのを含めて、揺れ動く心っていうか悩みを描きたいのでしょうけど、正直よく分からなかったです。
男性との恋愛も、グラビアアイドルですから撮影の前の日とかは跡付いちゃうといけないんでエッチ出来ないんですが、そういうのも理解してくれる人と付き合わないと、いちいち落ち込んで仕事にも影響したりして悪循環なんですよね。
仕事で落ち込んで男に走るけど、その男でまた落ち込んで仕事に支障をきたすという負のスパイラル。
まあ、センテンススプリングとか全部言っちゃうねとかもそうなので、等身大な気はするんですけど、二兎を追う者は一兎をも得ず、って感じですかね。
あと、やっぱり、このテーマでベッドシーンを描くなら脱ぐのは必然な気がするんですけど、ご自身で主演されないで脱げる女優さんを起用した方がよかったんじゃないかな?と思いました。映画が中途半端になってしまった気がします。
なんかテーマ的には『ネオン・デーモン』みたいな感じにも出来たと思うので、色々惜しいなぁと思ったりしました。
サイン会あるあると書きましたけど、これは本当にダメなあるあるですね。
別のグラビア女優さんのイベントでも同じようなことがあったみたいですけど、何でこうなっちゃうんでしょうか。
鑑賞データ
シネ・リーブル池袋 TCGメンバーズ ハッピーチューズデー 1000円
2017年 42作品目 累計39700円 1作品単価945円
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