中華版プリティ・ウーマンと言ってほぼいいかと ☆3点
アメリカ在住のシンガポール人ケビン・クワンが2013年に発表しベストセラーになった小説「クレイジー・リッチ・アジアンズ」の映画化。
ハリウッドでは1993年の『ジョイ・ラック・クラブ』以来に主要キャストがアジア人で占められた作品で、アメリカでは3週連続興収1位を記録した作品。
監督はジョン・M・チュウ、主演にコンスタンス・ウーとヘンリー・ゴールディング、共演にミシェル・ヨーとオークワフィナ
予告編
映画データ
本作は2018年9月28日(金)公開で、全国75館での公開です。
配給はワーナー・ブラザース
劇場では予告編を目にしませんでしたが、アメリカでは今夏、先日観た『MEG ザ・モンスター』と並んでヒットしていたのは知っていました。
事前の知識としては出演者が全てアジア人であるということくらいで、詳しい内容は知らず、原作も未読での鑑賞です。
監督はジョン・M・チュウ
『G.I.ジョー バック2リベンジ』や『グランド・イリュージョン 見破られたトリック』の監督ですが、作品はグランド~を配信でしか見たことありません。
主演にコンスタンス・ウー
初めましての女優さんですね。
こちらの記事が詳しいです。
主演にヘンリー・ゴールディング
ロンドン出身でイギリス人の父とマレーシア人の母のハーフだそうです。
シンガポールでいくつかのバラエティ番組に出演してるのとBBCの人気番組「ザ・トラベル・ショー」のプレゼンターを務めてるそうです(一番左)
共演にミシェル・ヨー
1997年の『007 トゥモロー・ネバー・ダイ』でボンドガールを務めています。
共演にオークワフィナ
今夏公開された『オーシャンズ8』のコンスタンス役ですね。
他に共演と配役は以下の通りです。
レイチェル(主人公): コンスタンス・ウー
ニック(恋人): ヘンリー・ゴールディング
エレノア(ニックの母): ミシェル・ヨー
アストリッド(ニックの従姉): ジェンマ・チャン
ペク・リン(レイチェルの親友): オークワフィナ
ケリー(レイチェルの母): 陳瓊華
アマンダ(ニックの元カノ): ジン・ルージー
オリバー(ニックの親戚): ニコ・サントス
あらすじ
恋人ニックに誘われて彼の故郷シンガポールを訪れたレイチェルは、彼がアジア屈指の不動産王の御曹司であることを知る。突然セレブの世界へと足を踏み入れたレイチェルの驚きも束の間─ニックの母や家族親戚には金目当ての交際と思われ、さらには元カノや社交界のセレブ女子からの嫉妬は深く、二人の仲を引き裂こうとする。そんな苦境の中、レイチェルとニックは家族を説得しようと決意するが、“セレブ一族の壁”が大きく立ちはだかるのだった…果たしてレイチェルはこの荒波を乗り越え、“本当の幸せ”を見つけることができるのか─!?
(公式サイトより引用)
生粋のニューヨーカー、レイチェル・チュウ(コンスタンス・ウー)は、長年の恋人ニック・ヤン(ヘンリー・ゴールディング)が親友の結婚式に出席するというので、一緒にシンガポールへ向かう。初めてのアジア旅行に胸を躍らせながらも、それまでニックが家族の話を避けているように感じていたレイチェルは、彼の家族に会うことにとても緊張していた。出発当日、空港で案内された先はファーストクラス……なんとニックは、かの国でもとりわけ裕福な一族の御曹司であるだけでなく、社交界の女性たちから超人気の独身男のひとりでもあったのだ。そんなニックの恋人として現れたレイチェルには、嫉妬深いお嬢さまたちからのキツーい視線が突き刺さる。さらに悪いことに、ふたりの交際をよく思わないニックの母親(ミシェル・ヨー)が仲を裂こうと画策し始める。そんななか明らかになってくるのは、お金で愛は買えないが、お金の存在は物事を断然複雑にするということだった…。
(ワーナー公式より引用)
ネタバレ感想
とりあえず殆ど予備知識無しで観たんですけど、話の筋としては『プリティ・ウーマン』といったところでしょうか。
今となっては中国批判をしてハリウッドから干されてしまったリチャード・ギアが主演だったというのは何とも皮肉な感じです。
観る前はオールアジアンとのことで、勝手に真面目な家族大河ドラマ的なものを想像してましたが、思いっきりキラキラしたラブコメでした。
映画は冒頭、「中国が目覚める時、世界は震撼する──ナポレオン」というテロップが出て、1995年のロンドンのホテルを舞台に始まります。
ミシェル・ヨー演じるエレノアが幼い子を連れて、予約したホテルに夜遅めのチェックインをしようとすると、フロントから予約されてないと言われます。
ゴネるエレノアの前に支配人も現れますが、「予約されてない、満室」と断られます。
エレノアは現場のスタッフでは埒が明かないので、上から手を回すべく電話をかけようとフロントの電話を借りようとしますが、これも断られると近くの公衆電話から夫に電話します。
そしてエレノアは再びロビーに戻ると、今度は夫から連絡がいったホテルのオーナーが現れます。
エレノアはオーナーに事情を説明すると、すぐさまスイートルームを用意してくれ部屋に案内されます。
するとその姿をポカンと見つめる支配人とフロントに、オーナーは「このホテルはシンガポールの会社に買収された。今日から彼女がこのホテルのオーナーだ」と言うんですが、これ色んな感想を読むとアジア人差別を揶揄したシーンだったそうですが、てっきり自分は本当にホテルは予約されてなくてエレノアがゴネてるだけなのかと思いました。
というのも先日、スウェーデンのホテルで中国人がゴネてたニュースが報道されてたばかりで、そちらの方に意識があったので、紛らわしかったです。
そして、このシーンはさほど意味を持たず、時間軸は現在に飛びます。
若くしてニューヨーク大学経済学教授に就くレイチェルは、シンガポール出身の恋人ニックが友人の結婚式に出席するため帰省するのに同行することになります。
そしてシンガポール行きの飛行機がファーストクラスだったことから、ニックの正体がシンガポール華僑の大富豪の御曹司であることが分かり、2人の交際に様々な困難が待ち受けることになります。
これ、経済学の教授で自身も中国系なのに、恋人の正体(かなり有名人)に気付かなったってどうなの?と思いましたけど、キラキラした月9ドラマみたいなんでツッコむだけ野暮ですね。
シンガポールに着くと、ニックの母のエレノアを筆頭に叔母やら親戚やらと、ニックの友人やニックを狙うお嬢様たちが出てくるので、「渡る世間は鬼ばかり」的な様相を呈してくるんですが、登場人物が多すぎて、誰が誰だかよく分からなかったんですが、アメリカの公式サイト見ても人物相関図やキャラクター紹介が全く無いんですよね。
日本の公式サイトの方がやや親切なんですけど、それでも人物相関図はこの程度でキャスト説明は無いです。
まぁ、それでもおおよその関係性は分かるのでいいんですが、アストリッドが夫の浮気に悩んでる話とか要らなかったんじゃないかと思います。
上映時間120分ですが無駄な話が多くて、レイチェルとニックに降りかかる困難だけを描けば100分弱に収められた気がしますが、あの登場人物の多さからして元々が渡鬼みたいな連続ドラマ向きな気がしました(ゴシップガール的な)
本作のタイトルがクレイジーリッチなんで、バチェラーパーティ(男の方)やバチェロレッテパーティ(女の方)での金満ぶりが描かれるんですが、正直、個人的にはアジア人だとなんか画にならないなぁと思って観てました。
なんか渋谷ハロウィンに通ずるといいますか…。
高級外車なんかもこれでもかと登場するんですが、90年代のアメリカのキラキラ感を追ってる感じで、個人的にはノレませんでしたね。
ペク・リンなんかもお金持ちなんですが、なんか下品に感じてしまって…。
全体的な印象として、この話題を目にする感じに近いかも。
自分の意識としては、こういうキラキラ感は90年代で飽きてしまっていて、豪華だなぁとは思いますが、いいなぁとは思わなくて金満描写に胃もたれがしてしまいました。
最近の自分の興味が下のようなミニマリズムに向かっているせいもあります。
レイチェルが『花より男子』の牧野つくしみたいに、自分を曲げないで突き進むラスト30分くらいからは面白かったですけど、基本的には既視感のある話で物語的な面白さは感じませんでした。
ホワイトウォッシングに対抗して、映画がヒットしたのはよかったと思いますが、個人的にはそれほど面白いとは感じませんでした。
鑑賞データ
ヒューマントラストシネマ渋谷 TCGメンバーズ ハッピーフライデー 1000円
2018年 153作品目 累計132600円 1作品単価867円
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