本能寺ホテル 評価と感想/いわくつきの作品を観てきました

本能寺ホテル 評価と感想
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本能寺ホテルの変になっちゃったかも ☆3.5点

予告編

映画データ

本能寺ホテル (2017):作品情報|シネマトゥデイ
映画『本能寺ホテル』のあらすじ・キャストなど作品情報:『プリンセス トヨトミ』の綾瀬はるかと堤真一、鈴木雅之監督と脚本の相沢友子が再び集結し、元OLと織田信長との「本能寺の変」前日の奇妙な遭遇を描く歴史ミステリー。
本能寺ホテル (2017):作品情報|シネマトゥデイ
映画『本能寺ホテル』のあらすじ・キャストなど作品情報:『プリンセス トヨトミ』の綾瀬はるかと堤真一、鈴木雅之監督と脚本の相沢友子が再び集結し、元OLと織田信長との「本能寺の変」前日の奇妙な遭遇を描く歴史ミステリー。

あらすじ

倉本繭子(綾瀬はるか)は、ふとしたきっかけで京都の路地裏に佇むレトロな宿“本能寺ホテル”に宿泊する事に。なんとそこは戦国時代に繋がる不思議なホテルだった。一方、時は1582年。天下統一を目前に控えていた織田信長(堤真一)は森蘭丸(濱田岳)ら少数の家臣団と共に京都・本能寺に滞在している。冷酷非道なお館様を前に、戦々恐々とした日々を過ごす家臣たち。そんな時、見慣れない格好の女(繭子)が一人、寺に迷い込んでくる。その女は、400年後の世界からやってきた現代人。繭子は自身も訳のわからぬまま、信長と京都の町を見物するなど、交流を深める中で、次第に信長の人間性に惹かれていく。やがて繭子は、1582年の迷い込んだその日が「本能寺の変」が起きる前日である事に気づき――。

(公式サイトhttp://honnoji-hotel.com/story/index.htmlより引用)

ネタバレ感想

TOHOシネマズデイだったので、ニコラス・ウィンディング・レフン監督の最新作『ネオン・デーモン』を観ようと思ったんですけど、満席売り切れだったのでこちらを鑑賞。

本作は2、3か月前ですかね、映画館でボーっと予告編を見てたとき(本編上映前なのであまり集中してないのです)に流れてまして、「あ、万城目学っぽいな」と思いまして、実際予告編の最後の方には、プリンセストヨトミのチームが贈る、みたいなことが書いてあったので万城目作品なんだろうなぁと思って家に帰って調べてみたら、どうやらオリジナル脚本っぽくて、万城目テイストでオリジナル作品をやるんだなぁ、くらいに思って忘れてました。

事態が一変したのは昨年末の大晦日の前日、12月30日で万城目先生が以下のようなツイートをしたのですね。

万城目学先生 お蔵入りしたはずの脚本のアイデアが映画で使用されて愕然→「これは酷い」「ボツと称してパクり?」と一時騒然 ※追記あり
更新日:12月31日15時06分

最初、これ見たとき何のことを言ってるんだろう?と思ったんですけど、「あ、もしかして本能寺ホテルか?」と思いまして、調べてみると(以下、敬称略)

2011年公開の『プリンセス トヨトミ』は、監督:鈴木雅之、原作:万城目学、脚本:相沢友子、プロデューサー:土屋健、稲葉直人、前田茂司、となっていまして、これは元々はフジテレビのドラマ『鹿男あをによし』のスタッフで作られているそうでして
2008年放送の『鹿男あをによし』は、演出:鈴木雅之、村上正典、土方政人、河野圭太、村谷嘉則、原作:万城目学、脚本:相沢友子、プロデューサー:土屋健、となっています。

対して『本能寺ホテル』は、監督:鈴木雅之、原作:無し、脚本:相沢友子、プロデューサー:土屋健、古郡真也、片山怜子、となっていまして、これはもう、まっくろくろすけだな、と(笑)

フジテレビは以前にも『海猿』の原作者を怒らせてましたし

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があったりして、本作もいわくつきの作品、という印象は否めません。

まあ映画業界は昔から、こういうことを聞きますので、今度公開される『破門 ふたりのヤクビョーガミ』が楽しみだったりします。

「破門 ふたりのヤクビョーガミ」予告編

で、まあいわくつきの作品ではあるんですけど、映画としてはそんなに悪くなかったです。

あらすじは、主体性のない主人公:倉本繭子(綾瀬はるか)は勤めていた会社が倒産の憂き目に遭い、今は休職中の身。やりたいことが無い繭子は仕事もなかなか見つからないのですが、付き合って半年になる彼、吉岡恭一(平山浩行)に結婚を申し込まれます。
吉岡の両親の金婚式への出席と、結婚することの報告も兼ねて京都に行きますが、予約したホテルは日付を間違えて1か月先。
仕方なくホテルを探しに京都の街をふらふらしてると、一軒の古いホテルが。本能寺ホテルと書かれたそのホテルに入りフロント(風間杜夫)に尋ねると部屋がとれるとのことで宿泊します。フロント前のロビーには戦国時代に宣教師が持ち込んだといわれるオルゴールが置いてあり、繭子は何げなくネジを巻きますが壊れてるそうで音はならず。部屋の鍵を受け取りエレベーターに乗る際に、京都の街をふらふらしてる時に買った、信長も大好物だった金平糖を食べたら、エレベーターの着いた先は本能寺の変の前日の本能寺だった、というお話です。

上映時間は120分で、特に序盤、戦国時代に行くまでが冗長でテンポ悪いかなと感じました。
また、現代と戦国時代を行ったり来たりするんですけど、現代での時間軸がやや不自然かなと。
ランチを料亭(恭一の実家)で食べてると、恭一に電話が入り急用とのことで、恭一はどこかへ。繭子はホテルへ戻り戦国時代へ。戦国時代で殺されそうになるが間一髪で現代に戻る(ホテルのフロントのベルを誰かが鳴らすと戻れる)。恭一の友達(平岩紙)たちとお茶する。またホテルに戻って、とかなんですけど、現代での行動がかなり不自然かなと。

よかったのは信長(堤真一)のキャラクターで、歴史を受け入れる、ってとこですかね。
繭子は信長に本能寺の変のことを話すんですけど、信長は繭子が落とした現代のチラシ(街コンかなんかのチラシ)に写ってる人々が幸せそうなのを見て、戦乱の世は治まり未来は平穏なのだなと悟ります。それは信長が目指してる世の中なので、そのまま光秀の謀反を受け入れればそういう世の中になるんだなと悟るんですね。この辺の自己犠牲の精神は『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』とか『ベイマックス』とか最近だと『ローグワン』とかと共通するので胸が熱くなります。

あと、秀吉の中国大返しがなぜ出来たのかは信長が死の間際に秀吉に手紙を送ったってことにしてました。
信長がそのまま死んだ場合、信忠とか自分の子を擁立しようとする家臣の対立を生むので、秀吉に光秀を討たすことによって大義名分を作り一つにまとめようと考えたわけです。秀吉が農民で民の心を知ってるというのもあります。

物語的には歴史は変わらなかったけど、主体性のなかった繭子が主体性を持つように変わるっていうオチです。

まあ、雰囲気としては万城目テイストと同じフジテレビの『信長協奏曲』混ぜた感じですかね。
信長協奏曲』で徳川家康役だった濱田岳さんが、本作では森蘭丸役。柴田勝家役だった高嶋政宏さんが明智光秀役っていう。

あとナレーションが中井貴一さんで、中井貴一さんと濱田岳さんは『グッドモーニングショー』でこれもフジテレビ映画でしたが、キャスティングがちょっとマンネリかなと思いましたね。

鑑賞データ

TOHOシネマズ六本木 TOHOシネマズデイ 1100円
2017年 6作品目 累計2600円 1作品単価433円

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